スーパー・チューズデー、トランプとクリントンが勝利 --- 安田 佐和子


スーパー・チューズデーは共和党、民主党それぞれ11州で予備選・党員集会が実施され、事前予想通り共和党のドナルド・トランプ候補と民主党のヒラリー・クリントン候補が圧勝しました。

今回の予備選・党員集会を開催した各12州の特徴は以下の通りで、赤字は全米平均値を上回る数字。

(作成:共和党全国委員会、RealClearPolitics、米国勢局よりMy Big Apple NY)

民主党の正式指名は、11州のうち7州を制したクリントン候補(アラバマ州、アーカンソー州、ジョージア州、テキサス州、テネシー州、バージニア州、マサチューセッツ州)で決まったといっても過言ではないでしょう。サンダース候補は地元バーモント州を含め4州を確保したとはいえ、代議員数では1001対371で、3393までクリントン候補が順当に票を収めています。上記のチャートと照らし合わせるとオクラホマ州を除きバーモント州、コロラド州、ミネソタ州の3州は人口に占める白人の割合のほか1人当たりの所得、大卒以上のシェアが突出して高いことが分かりますね。

焦点は、やはり共和党予備選です。

共和党では11州のうちトランプ候補が7州(南部のアラバマ州、アーカンソー州、ジョージア州、テネシー州、バージニア州、北東部のマサチューセッツ州とバーモント州)で勝利を飾る強さを見せつけました。テッド・クルーズ候補が2州(南部のテキサス州とオクラホマ州)で勝利し、アラスカ州も手中に収める見通し。ルビオ候補は、1州(中西部のミネソタ州)にとどまりました。

結果を受けて、政治情報サイトのPoliticoは“Super Trump Day”とのヘッドラインを掲げています。白人至上主義団体、クー・クラックス・クラン(KKK)のデビッド・デューク代表の支持を明確に拒否しなかったと批判を浴びたものの、選挙戦では無傷で終わりました。むしろ、保守派勢力からの絶大な支持を得た可能性すら漂う。本日の結果を受け、ひとまず代議員数は285に伸ばし、クルーズ候補の161、ルビオ候補の87を引き離します。トランプ候補が「物凄く気分がいいぜ(I feel awfully good)!」と勝利宣言した舞台はフロリダ州パームビーチでしたが、既に15日の同州予備選を見据えているのでしょう。さらには、自身のキャッチコピーとクリントン候補の分を引っ掛けて「アメリカ全体を築き直すより、再び偉大にする方がずっといい(Making America great again will be better than making America whole again)」と揶揄する余裕すら見せつけます。傍らにニュージャージー州知事のクリスティ氏が険しい顔つきで付き添っているのが、印象的でした。

演説する横で、ボディガードのような厳しい表情のクリスティ知事。

(出所:AP Photo via Politico)

クルーズ候補はお膝元をはじめ3州を獲得できたため、安堵しているに違いありません。選挙参謀は、ツイッターで#TwoManRace(Two-Manのダッシュを省略)すなわち今後はクルーズVSトランプの一騎打ちだと息巻いており、暗にルビオ候補の離脱を促しています。

ルビオ候補は、最後の望みをフロリダ州につなぐ他ありません。問題は、事前の世論調査で代議員数99のサンシャイン・ステーツでトランプ候補が各世論調査の平均(3月1日時点)で40.3%と同候補の20.8%を突き放しているという事実です。フロリダ州が勝者総取り方式であれば、あと2週間で起死回生の策に講じられるのでしょうか。

3月15日にはフロリダ州のほかオハイオ州(代議員数66)、イリノイ州(69)、ミズーリ州(52)、ノースカロライナ州(72)で予備選が開票を迎えます。このうち、勝利の女神がフロリダ州とオハイオ州でトランプ候補以外に微笑めば、この2州だけで165人を獲得できるというもの。そのためには、ケーシック候補とカーソン候補の撤退がカギとなるでしょう。ただケーシック陣営は少なくともルビオ候補を敵視し、同候補さえいなければバーモント州での勝者は自分だったとも非難していました。共和党候補内での対立も含め、トランプ候補に追い風が力強く吹きつけています。

(カバー写真:Blackbag)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年3月2日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。