愛知県大府市で起こった、認知症男性がはねられた事故の裁判で、画期的な判決が出ました。
【認知症訴訟 最高裁でJR敗訴】愛知県で91歳の認知症の男性が電車にはねられ死亡した賠償責任が家族にあるかが争われた裁判で、最高裁は男性の妻に賠償を命じた2審判決を取り消し、JRの訴えを退ける判決を言い渡しました。(続く)
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県内の事故ということ、身内に認知症の親戚がいることからも関心高く追っていました。
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それにしても、鉄道って本当に守られています。
轢いて死亡しているのに、鉄道事業者はわるくない、線路に入ってきた方がわるい。
これがもし自動車事故だったら、全く逆になります。
認知症の方は被害者で、加害者は運転者。 そして、運転者の責任は、民事の事故賠償だけでなく、刑事責任にも及びます。 過失運転致死傷罪で、7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金。
刑事なので、被害者家族等が訴える訴えないは関係なく、罪になります。 もちろん、「前科」です。 社会的な責任も負わされるでしょう。 職場によっては、解雇とか。
人生がまちがいなくガラリと変わるでしょう。 もちろんよくない方に。
実はこんな経験をしたことがあります。
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それは雨降る夜のできごとでした。
まちなかにいた僕は、突然、車の男性から声をかけられます。
「すみません、このあたりに◯◯さん、というお家はありますか?」
-どうかしましたか??
「はい、○○のあたりを運転していたら、このおじいさんが道路の真ん中を歩いていて。 傘もささずに。」
見ると、後部座席に服が濡れた男性の姿が。
「あまりに不自然だったので、聞いてみると、このあたりにおうちがあるというので、乗せてきました」
-そうだったんですね。 ありがとうございます。 ◯◯さん、今は近くに引っ越しましたよ。
その後、ぼくも協力して、なんとかそのおじいさんをおうちにお送りしました。
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おじいさんが歩いていたという場所は、まちなかから15分ほどは離れています。
そんなところから、わざわざ知らない不自然なおじいさんを自分の車に乗せて送ってくださるなんて、いい人がいるもんだと、うれしい気持ちになったものです。
一方で、とてもこわい話だとも。
おじいさんが歩いていたところは、車の通りが多い場所です。 夜、しかも雨で視界もわるい。 そんな状態で、不自然に道路の真ん中を歩いていたなら、一歩まちがえば、事故になっていたかもしれません。
豊橋には1号線が走っています。 昼夜を問わず、かなりのスピードでたくさんの車が走っています。 もし、1号線を運転していて、夜、しかも雨の中、道路の真ん中に不自然に人がいたら・・・、避けきれる自信がありません。
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このできごとから、認知症の方の徘徊って、本当に脅威だと考えるようになりました。
しかし、これから間違いなく増加していく、そして運転者であれば誰もがいつ自分の身に降りかかるかわからない社会課題です。
googleの自動運転なら、認知症の方も回避できるのかな。
もしそうなら絶対買う。
では。
愛知豊橋・長坂なおと のblog より
プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ