政党名を公募するという不甲斐なさ --- 岩田 温

民主党と維新の党の合併に関して、新党名を公募している。

おかしな話ではないだろうか。

自分たちの政治理念を端的に表現するのが政党名であるはずだ。その政党名を自分たちで決められないというのは、自分たちに掲げる大義の旗がないということを意味していないか。

要するに数合わせのための野合であり、共通する理念がない。そんな印象しか与えない。

維新の党は、本来、公務員改革を掲げていた。何故、彼らが自治労に支援を受ける民主党と合併するのか。「改革」「改革」の叫び声は、所詮は、掛け声に過ぎなかったのだろうか。

政治的立場を離れて、名称だけで考えれば「自由民主党」という政党名は、実によい政党名だ。非・自民と言った場合、自由を否定し、民主主義を否定していることになってしまうからだ。他にも「日本共産党」も、自分たちの主張を貫いているという意味で、よい政党名だろう。

民主党は、自由党と民主党が合併してできた政党で、本来なら「自由民主党」になってしまうはずだった。自民党から自由が欠落した政党名にしか受け取れないから、あまり良い政党名ではなかった。

最近の新しい政党名でよかったのは、「日本維新の会」だ。自分たちの掲げる理念を「維新」に託した政党名で、少なくとも志を感じさせる政党名であった。

民主党は、いかなる政党名を選ぶのだろうか。
オープンな政党を目指すのなら、どんな政党名が寄せられたかを公開すればいいと思うが、殆ど参考にならないようなふざけた政党名ばかりが寄せられるのではないだろうか。

政党名すら決定できない政治家の集まりに期待する国民が多いとは思えない。

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編集部より:この記事は政治学者・岩田温氏のブログ「岩田温の備忘録」2016年3月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は岩田温の備忘録をご覧ください。