どうも新田です。イギリスのEU残留を問うた投票の結果はまもなく判明いたしますが、株主総会のプロキシーファイトは選挙に近い緊張感が漂います。てなわけで、ロッテの経営権をかけた兄弟対決の第3ラウンドであり、この1年で最大のハイライトとなる定時株主総会が、いよいよ、あす25日に開催されます。
今年3月の臨時株主総会では、長男の重光宏之氏が、自らの経営復帰と、次男の昭夫会長以下7人の取締役解任を要求しましたが、あっさり却下されてしまいました。復習がてら議決権ベースでの株主構成は、こういう感じなわけですが。
ブルーが次男サイド、イエローが長男＆父・武雄氏サイドで、カギを握るのが選挙戦にたとえていうところの“第三極”である従業員持株会です。3月の臨時総会では、持株会が次男サイドに付いてしまったわけですが、調略する時間もございませんでしたので、その当時も書いたように3月に長男サイドが破れるのは「想定内」のことだったでしょう。
てなわけで、この3ヶ月間、長男サイドは改めて持株会の株保有者にアプローチしているわけですが、その目玉は、次男が目指している中核子会社の上場ではなく、ホールディングス上場による利益シェアの提案。一番恩恵を受けるケースでは、プロ野球選手の年俸並みという、夢のような話をしているのは、以前もご紹介しましたが、持株会の理事長らは次男派で固められているとみられ、
①長男サイドが彼らを切り崩し、持株会の議決で多数派を握る
②持株会は長男サイドに転じて総会で長男提起の議案に賛成
③奇跡の逆転勝利
−−−というシナリオは、難しいかなと当時思ったのが率直なところです。
しかし、このタイミングで長男サイドには天佑、次男サイドには天災とでもいいましょうか、韓国ロッテが前政権との癒着を疑われ、検察のガサ入れが盛大に挙行されて大フィーバーしてしまいました（詳しくは前回）。日本ではほとんど報道されていないようですが、当然のことながら筆頭株主である長男サイドは次男サイドに事実解明等を求めた質問状を送りつけております。
ロッテは、非上場企業だけに実態がわからない部分も多かったわけですが、次男サイドがどのような情報開示をしてくるのかかなり注目です。事は韓国政界のスキャンダルに発展する可能性もあるだけに、当日は日本メディアを押しのけるくらい、韓国メディアの取材クルーがガンガンやってくるかもしれませんね。
奇しくも選挙シーズンに迎えたお家騒動の定時株主総会。長男の奇跡の逆転勝利シナリオが結実するのか、それとも次男がここを凌ぎ、韓国に帰国して捜査対応に本腰を入れることになるのか、激しく傍観しております。ではでは。
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新田 哲史
アゴラ編集長／ソーシャルアナリスト
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