7月13日の日本経済新聞電子版によれば、2016年1月1日現在の人口動態調査で、国内に住む日本人の人口は1億2589万1742人と7年連続の減少となったそうです。1年前に比べ27万1834人の減少で、これは調査を始めた1968年以降で最大の減少数です(グラフも同紙から)。
都道府県別で人口が増えたのは、遂に東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、沖縄の6都県だけになってしまいました。残りの41のエリアは人口減少です。中でも、青森と秋田は人口が1%以上減少しています。また、市区町村別で見ると、市区の77%、町村の88%で人口が減るという結果になりました。国内のほとんどの場所は人口減少で、増えているのは例外的という状態です。
人口減少と同時に進むのが、首都圏への一極集中です。東京、千葉、埼玉、神奈川の各都県を合わせた人口は、11万人近い増加。その中で東京は8.6万人増の約1297万人と抜きんでています。ただし、東京都の中でも23区とそれ以外の多摩地区などでは、随分風景が違うと思います。
3大都市圏である関西圏(京都・大阪・兵庫・奈良)と名古屋圏(岐阜・愛知・三重)は、首都圏とは対照的に人口が減少しています。愛知県は人口増ですが周辺の人口減少の方が大きくなっているのです。
首都圏への一極集中という人口動態の流れは、今後も継続することが予想されます。東京は人が集まれば集まるほど、街の魅力が高まり、より集積が進んでいくというポジティブスパイラルが働くようになってきています。銀座、六本木といった都心3区に来てみるとよくわかりますが、ビルの建設があちこちで進み、新興国のような活気に溢れています。外国人の数も増えており、国際都市として他のエリアとは別格になってきていることを実感します。
このような環境下、地方の不動産投資をする場合は、物件の目利きが極めて重要になってきます。東京の中心部であれば、需要の減退というリスクは低いと言えますが、地方の物件は場所と物件を慎重に選択しないと空室リスクに悩まされる危険があります。ただし、地方にも競合が少なくお宝物件が見つかりやすいという点では投資妙味があります。
不動産投資という観点からは、東京は万人向けのマーケット、東京以外は中上級者向けの目利きが問われるマーケットということができます。首都圏とそれ以外という日本の2極化はこれからも益々強まっていく。その中で自分に合った投資戦略を立てていくことが大切です。
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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年7月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。