9日の東京は今年一番の暑さだった。熱中症で病院に搬送される人も多いだろう。高齢の方も亡くなられたと報道されていた。毎年ブログに有効な熱中症対策を紹介しているが、一向に改善される様子がないのであらためてこれについて記す。まず、昨年の7月25日に書いた記事から。
テレビでも熱中症予防対策として、こまめな水分補給と適切な冷房の使用、を奨励している。が、熱中症患者は一向に減らない。何故か?予防対策が有効ではないから。
熱中症患者の発生場所で一番多いのが屋内。特に高齢者はそうだろう。また、健康な中高齢者でも、猛暑の屋内では極めて不快だし疲れる。どうすれば良いか?
水を浴びるのである。具体的には水道水のシャワーを頭から浴びる。2年前にも書いたが、タイではアプナーム(水浴び)、人々は当然のように水を浴びる。やればわかるが、冷水で体を冷やし、汗のべとべとを流せば体も心もですっきり、2-3時間冷房などなくても快適なぐらい。体を直接冷やすので、熱中症になりようがない。ちょっとした習慣の導入で少なくとも屋内の熱中症は撲滅できるし死者も生じない。消防庁でも厚生省でもテレビでも新聞でもよいが、形だけの注意喚起ではなく、実効性のある予防対策をなぜ奨励しないのだろう。
日本には行水という風習があった。ほとんど死語だが、クーラーのない時代、これは有効な暑さ対策だった。日本人も昔はタイ人並に賢明だったのに、今は水を飲め?
熱中症と原発事故には水を掛ければよい。
ここで思考実験。今日のように室温が34度の状態にいたとする。あなたは暑いので、①水を飲む、②水道水のシャワーを頭から浴びる、の二つの行動を別々に(例えば1時間後に)実行する。どちらが快適に感じましたか?とアンケートすれば②が多いと想像がつくと思う。多分1000人中970人は②と答えるだろう、常に3%はヘンなヤツが居るので。効果は約30倍。
老人等に対して水を飲め、といわれても効いている実感はないし、クーラーをつけろ、といわれてもクーラーの嫌いな老人も多い。また老人でなくても行水の暑さ対策としての効果は抜群。消防庁、厚生省、テレビ、新聞など、熱中症予防の呼びかけにもう一言付け加えるだけで相当数の人が救われると思うのだが・・・。