高崎市は、なぜダメなのか?そしてその改善策 --- 長井 利尚

高崎市に生まれ育った私は、政財界などの大物を多数輩出している、群馬県立高崎高校を卒業後、都心(千代田区)の大学に4年間、高崎から新幹線通学しました。そのため、どちらか一方にどっぷり浸かることなく、客観的な視点を持つことができたのは大きな収穫でした。

高崎から見れば、東京は「花の都 大東京」かもしれませんが、東京にも弱点は多数あります。東京から見れば、高崎など、存在感は無いも同然。漫画「頭文字D」に出てくる岩城清次の言葉を借りれば、「(高崎なんて)アウト オブ 眼中」です。

人口減少が激化する群馬県内で、高崎市は、県庁所在地の前橋市など相手にならないくらいのNo.1です。しかし、所詮「どんぐりの背比べ」なのです。東京から見れば、北関東など、まともな人種が住む場所とは思われていません。このような「不都合な真実」を直視する必要があります。

高崎高校の卒業生名簿を見ると、約8割のOBが高崎を捨てて、県外(主に東京)に職を得ています。群馬県内に残っているOBの勤務先は、地方自治体が圧倒的に多く、次に地方金融機関が多いようです(どちらも、「地方自治体消滅」「FinTech」などでお先真っ暗な職場です。なぜ、そのようなところに職を得るのか、私には全く理解不能です)。

今では、世界遺産に指定された富岡製糸場を目当てにした外国人観光客を、高崎駅新幹線ホームでよく見ます。彼らは、東京から新幹線で高崎まで来て、高崎駅の外には出ず、上信電鉄に乗り換えて上州富岡駅に行きます。お金持ちが多い外国人観光客が、高崎駅まで来ているのに、高崎市にはお金をほとんど落としてくれない。この事実を冷静に受け止め、改善策を講じる必要があります。

外国人観光客がよく使うガイドブックは、「Lonely Planet」です。私は、Amazonで買って熟読していますが、高崎市民の皆さんは、この本を読まれていますか?

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからずや」と言います。「Lonely Planet」における高崎の紹介ページを見ると、正直なところ「これでは、外国人観光客が高崎市に行きたいという気持ちにはならないだろう」と私は強く感じます。高崎市でサービス業に従事している方なら特に、改善すべき点は多々あると思います。

まずは、中学英語を復習して、外国人観光客の道案内くらいできるようにしましょう。これなら、お金はまったくかかりません。外国人観光客に親切にすれば、それは口コミで伝わります。SNSの力は侮れません。「アラブの春」を起こしたのもSNSなら、高崎市の賑わいと発展をもたらすのもSNSなのです。

お金持ちの外国人観光客がたくさん高崎市に観光に来て、名物の「焼きまんじゅう」を美味しそうに食べながら、店主と英語で会話する。そんな明るい未来を実現することは、十分可能です。高崎市民の努力次第です。

補助金、地方交付税、様々な規制等は、いつまでも続くわけではありません。もうすぐなくなります。自分の力で明るく元気に稼いでいきましょう!

会社経営・鉄道写真家 長井利尚