東京オリンピック・パラリンピックの争点まとめ

上田 令子

「東京都の小池百合子知事は29日に都内で、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長、松野博一文部科学相、丸川珠代五輪担当相との4者協議に臨み、都の業務や予算などを点検する「都政改革本部」の調査対象に、組織委を加えると伝え、協力を求めた。調査結果によっては、都と組織委の大会費用の分担について見直す可能性にも言及した。」」と、報道されています。(毎日新聞)

また本日30日は、「小池都知事 築地市場の移転延期の方針固める」と一斉に打電されています。今週中に知事自身で言明をするとのことですので、かねてより私が指摘していた豊洲の移転問題点を踏まえ、動静を冷静に見守り、本会議や委員会の場で適宜確認をし、都民の財産でもある税金と都有財産を守るべく行動し、随時情報提供をしてまいります。

まずは、4者協議のあった、都民注目の大会負担どうなってるの?!オリパラ問題です。
私は、ラグビーワールドカップを委員会で取り扱うことを契機に「オリンピック・パラリンピック“等”推進対策特別委員会」と名称変更され、さらに委員会人数が拡充されたことから、昨年末より中途より委員となりました。先に議長を務められたばかりの、高島なおき都議(足立区選出)が委員長に就任しており、個々の委員の発言権は奪いはしないものの、仕切りはかなり豪腕を振るっている委員会です。

また、日程も議題も直前に決まることが多いわりに、新聞報道が先になって議題にもならないオリパラ事案もあったりと何を基準としているのかまさに「ブラックボックス状態」です。
小池新知事も禁断のベールを剥ぐ覚悟の様子ですので、これまで独自調査とそれに基づく、議事録の残る場で洗いだした問題点が役立つことになるでしょう。都民の皆様にも以下お示しいたします。

【チームお姐による東京オリンピック争点】

■都有地の無償貸し出し(駐車場など)
1.招致段階で無償貸与を保証していたというのが都の言い分。実際、国有財産の無償貸与の規定はあるものの都有財産については規定がなく、手続き上からすれば都の独断ということが判明。なぜ無償貸与したかの理由としては国が貸しているからとの答弁。将来的に、国・地方自治体等に都民ニーズを図らぬまま払下になる可能性も危惧

2.無償貸与に関する法的整備を進めると前都知事が宣言したものの、法的根拠となりうる法の設立状況が不明。

3.五輪競技場以外でも、無償貸与をしかねない都有財産があるのでは?という観点から財産目録一覧を出して欲しいと依頼するも、不可。理由は部局マターのため全体を把握していない+把握できないと回答

参考blog「タダ貸し」の次は「肩代わり」?オリパラにどこまで注ぎ込む都民の血税?!

■出捐金について
一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の基本財産は、設立時で三億円、東京都とJOCがそれぞれ一億五千万円の出捐金を出資。4者協議の後のインタビューで森会長が「東京都は(組織委員会の)外郭団体でもないし」と発言していたが、東京都は出捐金を出しているのだから、言うべきことは言うべきであるし対等に議論すべきだ。

■レガシー委員会
知事・副知事・関係局長により定期的な開催が行われるものの、形骸化している。後日知事の活動としてテーマのみ紹介され、活動実績と今後の方針、計画等が見えてこない→情報公開の必要性。
別途オリパラ準備局により新規恒久施設利用に関するアドバイザリー会議を設置しているがそれもまた同様である。

■費用負担
1.概要
恒久施設は東京都。仮設施設は国だったはずが、「国が原則」と変更。現在も追加費用は発生する見込みでありその負担については明確な対応方針は決まっていない。

2.費用返還
ザハ案・旧エンブレムなど、計画が白紙になることで少なからず東京都の負担が無駄骨になる。それについての費用返還請求は行われていない。

3.アクアティクスセンター
予定地からわずか数百メートルに既存施設として東京辰巳国際水泳場があり、2012年から大規模な改修工事中。五輪以後も両競技場を維持する方針であり、無駄が指摘されている。
当然既存施設についての運営計画等は未定。
恒久施設のため費用は都が全額負担。アクアティクスセンターと並列する水球会場は仮設のため国が負担する。アクアティクスセンターを恒久施設にした意味が見えていない。

4.海の森水上競技場
立地条件に課題があるのではないか?491億も掛かると言われているが、海水による浮力、旅客機の真下のための轟音が争点。大田区と江東区の帰属問題もまだ未解決。今回大会後の利用につきそれぞれに東京都へ希望が出ている(上田請求委員会資料で判明)。
(埼玉県戸田市の戸田競艇場での代替案では約50億で国際規格が整備できるとして図面を知事あてに2014年時点で要望書として送った経緯あり)

5.ビッグサイト
大会中に展示施設が利用できない事業者対策の問題。上田は豊洲で塩漬けになっている5街区をプレスセンターに活用してはどうかと提案している。

以上

Special Thanks for
オリ・パラ担当せりざわ裕次郎上田政調スタッフ

【お姐総括】
明日開催させるオリパラ特別委員会は、サーフィンやスケートボードなどすでに報道されている「競技人会の追加種目(その2)について」についてであります(知事コメントはこちら)。東京都議会のオリパラ特別委員会、もっと報告することがあるだろうと思いませんか?例えば昨日29日の4者協議や、知事がリオでIOCやリオデジャネイロ市長と会談したこと、視察の報告などあってもいいと考えます。明日31日は、関心の高い問題なのでアッサリ終わる委員会でしょうが、若い方々も傍聴に来る!と連絡を頂いております。お姐は質実剛健な資料請求をする予定です。
ともかく!!

東京都議会の今後の委員会は、撮って出し議題をあげるべし!

☆お姐、まずは傍聴に来ればいかに委員会が形骸化しているかわかるな?!ポイントグリーンの皆様是非!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

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