リーダーのアトラスが率いるイリュージョニスト集団、フォー・フォースメンは、華麗なマジック・ショーを使って不正に搾取された金を奪い取り、世間からの喝采を浴びていた。彼らの次なるターゲットは、とあるハイテク企業。だがショーは何者かの策略で大失敗に終わる。その裏には、天才ハイテク・エンジニア、ウォルターの存在があった。巨大な陰謀の中、追い詰められていくフォー・フォースメンだったが…。
イリュージョン(マジック)を使って不正を正す義賊集団の痛快な犯罪劇「グランド・イリュージョン」の続編「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」。ジェシー・アイゼンバーグら、主要メンバーが再集結し、新たな敵に挑む。イリュージョンはますます派手になるが、今回もまたサプライズが満載だ。ニューヨークからいきなりマカオへ移動したり、死んだはずの天才エンジニア・ウォルターが生きていたり。しかもウォルターは過去にフォー・フォースメンと因縁がある、大物と関わりがあり、トンデモないことを企んでいる様子。
ミステリー仕立てなので、ストーリーの詳細は明かせないが、今回は、ド派手なマジックが行われた後に、その種明かし(計略の意図)をしっかり見せてくれるのが楽しい。イリュージョンそのものの驚きに加えて、今回は、ある人物の過去が明かされ、それにも驚愕のサプライズが用意されていて、ストーリーとしての驚きも抜かりがない。フォー・フォースメンのメンバーは、ショッキングなマジックを得意とする女性マジシャンのルーラが新メンバーに加わっている。この女性キャラがいまひとつ魅力が薄いのがちょっと残念。だがイリュージョンの仕掛けは、前作より洗練されていて、特に屋外で行う“逆さに降る雨”の映像は美麗だ。最後の最後には、心温まるドンデン返しも。チームの関係性を把握するためにも、前作を見てからの鑑賞をおすすめしたい。
【70点】
(原題「NOW YOU SEE ME 2」)
(アメリカ/ジョン・M・チュウ監督/ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ダニエル・ラドクリフ、他)
(どんでん返し度:★★★★★)
編集部より:この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年9月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。