教師も子供も多国籍なシンガポールの保育園

初めまして!2児(5歳と3歳)を持つママです。イギリス人の夫と国際結婚後にシンガポールに来て10年目になりました。シンガポールで2人とも出産して、働きながら子育てしております。シンガポールは出産後も働き続ける女性がとても多い国です。保育園も選ぶのを迷うくらい多数あります。 今回は子供たちを18か月の時から預けている保育園の様子をお伝えしたいと思います。国際色豊かなシンガポールで子供たちの知的好奇心を十分に刺激する教育内容が素晴らしい保育園ですが、同時にアジアらしいゆる~い面も垣間見えてその頑張りすぎないコンビネーションが私は好きです。まずは園の概要をご紹介します。

各国駐在員の子どもたちが通うのは、「一軒家」を改装した保育園。

保育園は町の中心エリアにありますが、小さな通りに入る静かな住宅街の中の広い一軒家を改装してできています。通う子供たちは多国籍で駐在員家族のお子さんが中心です。ローカルの子供の割合は1割程度。多国籍で様々な背景・文化・宗教を持つ子供たちが、一軒家の下で仲良く学び、遊んでいる。そんな保育園です。また、「バイリンガル環境」と「2週間ごとに変わる学ぶテーマ」で、子供たちの広がる「知りたい!」の知的好奇心を十分に刺激する保育園でもあります。

↓町の中心エリアとは思えないくらい閑静な木に囲まれた古い住宅通りの奥にあります。


●開所・閉所時間
8:00 ~ 18:00

●各クラスの子供の人数と先生の人数
各クラス10~20名。中国語のみ話す中国人の先生&英語のみ話すフィリピン人の先生の2~3人体制。

●1日の過ごし方
曜日によって午前・午後のプログラム内容が変わりますが、例えば3歳のクラスの1日の流れはこのような感じになります。

▼8:00~9:00
保育園に到着
▼9:30~11:30
中国語(本の読み聞かせ・発音練習など)、スナックタイム、外遊び、算数など
▼11:30~12:00
ランチタイム
▼12:30~14:00
お昼寝をする子はお昼寝/しない子たちには本の読み聞かせ
▼14:00~17:00
中国語でのアートクラフト、スナックタイム、外遊び、英語での読み聞かせなど
▼17:00~18:00
保護者のお迎えが来るまで、残っている子供たちは1歳~6歳までが室内で一緒に遊んで待っています。

自然とバイリンガルになる環境と学ぶテーマ設定で子供たちの「知りたい!」知的好奇心を刺激

●「バイリンガル環境」
各クラスに英語しか話さない先生(フィリピン人)と中国語しか話さない先生(中国人)の両方がいます。
子供たちは保育園では一日中英語と中国語の環境に置かれているので、自然とどちらの言語も話せるようになります。

私の家では中国語は一切出てこないのですが、それでも子供達は中国人の先生と中国語で日常会話していますし、家でも中国語の歌を口ずさんでいます。
また、保育園では英語の読み書きだけでなく、中国語の読み書きも学んでいます。家で日本語の本を見て、5歳の娘が「この漢字知っているよ!」ということもしばしば。
日本語の環境でしか育っていない私にとってはびっくり!な体験です。

 
●「2週間ごとに変わる学ぶテーマ」
例えばある2週間は“宇宙”というテーマで、惑星の形、名前、特徴を英語で学んだり、その惑星をアートクラフトの時間で作ってみたり、中国語のクラスでは惑星の名前を中国語で学んだり、算数の時間では惑星の数を数えてみたり…。2週間そのテーマに基づいた内容をどっぷりと様々な角度から学びます。

「乗り物」がテーマの時には、上の子(5歳)が、飛行機が飛ぶ時の空気の流れをベルヌーイの定理(Bernoulli’s Principle)という言葉を使って家で説明してくれました。完全文系の私には初めて聞く言葉。「えっ、えっ?何なに?」とGoogleで調べてやっと意味がわかりました。完全理系の夫は、「ママより知っているよ」と感激。教える内容の深さにまたまたびっくり!な体験でした。

そんなに色々覚えられるの? と疑問に思ってしまいますが、伸び伸びと五感を使って子供たちが学びたくて学んでいる、わくわく感が伝わってきます。

給食は4週間メニューの繰り返し。「日本の食育のレベルは高い!」

学びのテーマは2週間ごとに変わる素晴らしい保育園ですが、少しがっかりなのが園で用意される給食ランチです。
4週間分の日替わりのランチメニューですが、この4週メニューを1年間繰り返します。(一昨年までは2週間メニューを繰り返していました。)しかもおかずが1~2品しか出てきません。(例:白身魚の切り身、野菜とごはん など)

宗教上食べられないものがある子やアレルギーがある子もいるのでそれも考慮するとメニューも限られてしまうのですが、日本の保育園で出るお昼の給食メニューの方が格段にレベルが高いのではないのでしょうか。その分家庭でバラエティに富んだ栄養のある食事を摂らせるように気を付けています。

「オフの様子が見られるゆるさもアジアならでは!?」


幼稚園はプログラムもしっかりしているし、先生も皆プロフェッショナルですが、ゆる~いところが垣間見れるのもアジアです。

日本だと「先生」は完璧な「先生役」を演じることが求められている気がしますが、
子供たちの通う園の場合、例えば、独身の女性の先生ですと夕方彼氏が車で迎えにきたりすることもあります。

仕事帰りにディナーやデートで出かける先生は夕方にはお化粧直しをしていて、
ユニフォームからおしゃれ着に着替えていたりすることがあり、微笑ましい❤

「先生」も一人の人生を生きる人間なんだよね!と一人で納得。

また、スクールバスの運転手さんは全身タトゥーが入った強面のおじさん。ランニングシャツに半パン、ビーチサンダルをいつも履いていて、あまり笑いもしません。「えー、この人大丈夫!?」と最初見かけた時はびっくりしましたが、毎朝きちんと子供たちの送迎をしています。そして誰も身なりを気にしていません。


文:ワディントンえみ

国際結婚をしてイギリス人の夫とシンガポール在住10年になる2児のママです。美容サロンのマーケティングの仕事などしています。


編集部より:この記事は認定NPO法人フローレンス運営のオウンドメディア「スゴいい保育」より、2016年8月9日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「スゴいい保育」をご覧ください。