チャレンジする価値のある仕事を見つけるための「3つの条件」

先週発売になった新刊「60歳から毎月20万円入る術」のあとがきに、人生には「時間」と「お金」という2つの有限なものがあると書きました。必要なお金を手に入れる方法には、お金に稼いでもらう方法(=投資)と自分で稼ぐ方法(=仕事)の2つがあります。では、自分が納得してチャレンジしたいと思えるような仕事はどうやったら見つけることができるでしょうか?

4年前に独立する時に考えたのは、「3つの条件をすべて満たすことをやる」というアプローチでした。

3つの条件の1つ目は「自分がやりたいこと」です。好きで情熱を傾けられることでなければ、夢中になることはできません。夢中になれなければ、競合相手に負けてしまいます。本当に好きなものなら時間を忘れて熱中でき、いつまでも続けることができる。そんなことを仕事にすることができれば、夜中まで仕事をするのも苦になりませんし、休日にミーティングがあっても喜んで参加することができるのです。

2つ目は「自分ができること」です。経験や能力が無いことをいきなりはじめても仕事になるほど世の中は甘くはありません。実務の経験を積んでいることで仕事を進める上でのノウハウが蓄積され、ビジネスを進めることが可能になります。また、自分が向いていない仕事は努力しても限界があります。私の場合、データ管理や経理のような仕事は苦手なので、自分で仕事にしようとは思いませんでした。

そして3つ目は「社会から求められていること」です。自分が好きで出来ることであっても、社会のニーズが無ければ、残念ながら、価値がないことになってしまいます。社会のニーズは時代と共に変わっていきますから、自分の好きで出来ることが永遠に価値を持たない訳ではありません。しかし、供給者側の論理で独りよがりに押し付けるのではなく、ニーズに柔軟に対応していくようなビジネスセンスも必要です。

これらの3つを重ねてみて、交わるところを見つけてみる(図)。見つかったらそれを仕事にすれば、成功の可能性は高まるはずです。これは起業だけではなく、会社の組織で仕事をする人にも同じ基準が当てはまると思います。

10月に開講する丸の内朝大学マネークラスの2016年秋学期は、起業という選択によって仕事を自分で作りやり遂げてきた人たちをゲストに、お金の本質に迫ります。仕事だけではなく、資産運用の基本も講座に織り込んだ欲張りな内容。3人の起業家がどのような動機で仕事を始め、それがどんな結果になっているかを聞いてみるつもりです。

投資も仕事もリスクを取らなければリターンは得られないというのは同じです。リスクの取り方の巧拙によって、その人の人生は変わってきます。新しい試みのクラスですが、今回限りの貴重な学びの場になると思っています。

起業する予定の無い人でも、投資経験の無い初心者でも受講歓迎です。リスクを取って人生を変えてみたいという前向きな受講生をお待ちしています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年9月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。