ジャーナリストの津田大介さん、堀潤さんらと話題の映画「シン・ゴジラ」を観た。「3.11」の福島原発事故が発想の根源になっている。
ある日、海上に巨大不明生物が出現する。この巨大不明生物が「ゴジラ」なのだが、実は海底に廃棄された核廃棄物が発生源だ。その生命の仕組みが原子力発電と同じ構造だという。
暴れるゴジラに対して、政府はどう対処するか。日本の危機を前にして、閣僚や官僚たちが緊急会議を開く。自衛隊を出動させるかどうか、「憲法違反ではないか」などと、議論は延々と続く。今そこに危機があるのに、である。
結局、自衛隊を出動させるものの、ゴジラを退治することはできない。次に米軍に出動を要請するが、やはり歯が立たない。最終的に、国連軍が東京ごとゴジラに核攻撃をすることに。しかし、日本が三たび核爆弾にさらされるのを日本人は許してよいのか……。
観ていない方のために内容紹介は、このくらいにしよう。ともかく政治家や官僚たちに、かなりリアリティがあっておもしろい。独特の早口でしゃべる官僚たち、日本の縦割りの官僚制度、そして大臣の欠陥がよく出ている。アメリカの要求にノーと言えず、困惑する首相も実にリアルだ。
怪獣映画というジャンルに入るのだろう。しかし、自衛隊と憲法、官僚制度の欠陥、核と原発……、日本という国の抱える問題を、非常にリアルに描いている。僕はとてもおもしろく観ることができた。
興行成績がトップクラスだというのも納得である。現役の政治家や官僚たちも、ぜひ観ていただきたい。
編集部より:このブログは「田原総一朗 公式ブログ」2016年9月20日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。(写真は田原総一朗公式Facebookよりアゴラ編集部で引用)