スタバとブルーボトルコーヒーの違いは「ノマドの作業場化」してるかどうか

六本木の新しく出来たビルの裏手に「ブルーボトルコーヒー」がオープンしたので行ってみました。清澄白河の日本1号店は行列が出来たと言われていますが、六本木店は長蛇の列というほどでもなく、スムースにコーヒーを注文することができました。

ブルーボトルコーヒーの創業者は、日本の喫茶店にヒントを得てカリフォルニアで創業し、日本に逆上陸したようです。豆の品質にこだわり、生産者の顔 が見えるオーガニックな材料を吟味しているという特徴があります。コーヒーは500円程度とスタバよりは高めで、1杯ずつペーパーフィルターでドリップするので時間がかかります。味わいは個人の好みですが、スタバの味に飽きている人には新鮮な刺激があると思います。

店内は明るい白とライトブルーでシンプルにまとめられたインテリアで、椅子の数が少ないのが印象的でした。その分スペースが開放的で、店内がすっき りしています。お客さんをもっと詰め込むことができるのに敢えてしない。席がなかなか空かないのが難点ですが、落ち着いてコーヒーを楽しむことができま す。

スタバと比較して気が付いたのは、スペースだけではありません。最も大きな違いは、誰一人としてパソコンを開いて作業をしている人がいないことでした。スタバでは書類をテーブルに広げ、ヘッドフォンで音楽を聴きながら、マックのキーボードに向かって仕事をしている人が多いのとは対照的です。

この違いはどこから来るのでしょうか?

以前スタバの店内でおしゃべりをしていたら、向かいに座ってマックで作業をしていた知らない男性から「うるさい」と注意されたことがありました。気が散るから静かにすべきだということのようですが、会話さえできないのでは、もはやカフェではなくノマドの作業場状態です。

ブルーボトルコーヒーには、テーブルにコンセントもありませんし、WiFiのサービスも行っていないようです。そもそも仕事でPCを持ち込むような 人を顧客ターゲットとしていないのです。スタバが職場と家の間にある「サードブレイス」を指向した結果、ビジネスパーソンのオフィスや学生の図書館のような存在になりつつあるのに対し、ブルーボトルコーヒーは完全にオフな時間を過ごすために存在しているようです。

新しいカフェ業態が出来て、選択の幅が広がるのは消費者にとっては良いことです。これからも余り込んでいなければ、リラックスしたい時はブルーボトルコーヒーに行こうと思います。スタバは時間が無い仕事中のテイクアウトで使うことが多くなりそうです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年9月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。