月額5300万×25年=160億円都庁舎タダ貸し?!

上田 令子

昨日無事に、小池百合子新知事との初の一般質問を無事に終えることができました。動画はこちらですのでぜひご覧くださいませ。また、たくさんの方に傍聴に来ていただき心からお礼申し上げます。空席もあったにも関わらず議会局対応がままならず、中に入れなかった皆々様にはお詫びを申し上げます。

(傍聴に来ていただいた皆さんと都民ファーストを誓う)

【知事を応援したお姐が再質問したワケ】
知事は、代表質問、一般質問ともどもどの会派にも分け隔てなく答弁をし、これまでの知事が局長に丸投げしてた再質問も丁寧に答えてました。何より、二大会派と理事者との出来レース提灯お土産質問が一切なくなり、実に本来の議会らしかったです。

私が毎回すると野次ってた自民党が代表質問にて再質問するとは…。

北川正恭地域政党サミット顧問(元三重県知事)がことあるごとに「知事が変われば議会が変わる」とおっしゃっていましたが、まさにその通りに議会改革は瞬時でなされてしまいました。

ちなみに、二日目の一般質問で再質問したのは、珍しく私だけでした。知事を応援した議員が再質問するとは意外に思われるかもしれませんが、昨日議会と行政の「馴れ合い」「根回し」の台本議会でいいのか知事に質したところ
「議会と知事との間には、一定の緊張関係があってしかるべきと考えており、行き過ぎた『根回し』やこれによる『なれ合い』があるとすれば都民も問題だと思うだろう。都政の見える化を図りながら都民のための政策をぶつけ合う関係を築きたい」(ご参考)
と答弁があったとおり。小池百合子知事でなければ東京の百年が変わらない!と全身全霊で応援をしましたが、当選されたら二元代表制のもと是々非々です。「一定の緊張関係」のもと、理事者答弁を完全なものにすべく粛々と敢行した次第です。

そう!再質問をしたのは、都民の財産である都庁舎を長年タダで職員組合に貸している説明に納得がいかなかったからなのであります。

【組合事務所、家賃をとったら月額五千三百万?!】

現在ご覧の、12団体の職員組合が都庁舎に事務所を構えております。

都庁舎には、外部団体やテナントさんなどが間借りをしております。詳しくは以下をご覧ください。

12団体の総面積は1800㎡。貸付、使用許可を出している総面積はは〇㎡ですのでの、全体の〇%を占めているのです。一体これを貸し出したらいったいいくらとなるのか?と私は3月の予算審査でこの資料を取り寄せて考えたわけです。新宿副都心の高層民間ビル床は坪3~5万円を推移していますが、ここは百歩譲りまして表の中にある、第二庁舎のコンビニ店への貸付料で計算をしてみました。

5,832,000(コンビニ月額貸付料)÷197.68㎡(コンビニ貸付面積)×(511.81+1305.65㎡←12団体総床面積)
=53,619,115円

なんと、

タダ貸し月額 五千三百万円!!!

オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が、虎ノ門ヒルズに月額4千万円支払っていることが話題になっていますが、それよりも、一千万も多い!!

これでおどろいちゃ~いけません。都庁舎の平成3年竣工以来なんと25年間ずーーーーっとタダ貸ししております。

5,300万円 × 25年間 = 160億円!!!

かつて私は江戸川区議会時代に、いったいいつから事務所があったのか、いったいいつからタダだったのか不明だった組合事務所を指摘して、賃借料を徴収することになりました。
江戸川区にできて東京都にできないわけがない!!

いったい全体、本来いただける160億円をタダにするだけの理由が一体全体どこにあるのか??

【公務員勤務条件向上のため160億チャラ?!】
と、いうことで早速半年温めていた案件をよもや知事が変わるとは夢にも思わず、小池新知事の面前で財務局長に質したわけです。

お姐「都庁舎を職員組合事務所12団体に約1800㎡を庁舎竣工以来25年間、無償貸与しています。第二庁舎1階コンビニ同等の貸付料をとれば月額約五千万円、25年となれば160億円相当タダ貸ししていることになります。つきましては、過去の経緯・現状と都民益の観点からご所見をお示しください。

財務局長「職員団体は、地方公務員法に基づき勤務条件の維持向上を図る目的で結成。適法な交渉を通じた適切な労使関係の維持は都政の円滑な運営にも資する。労働組合法でも、事務室の無償供与が認められている。本庁舎は、平成3年4月庁舎設置以降、事務室を無償で使用許可を実施」
(お姐超訳:職員の労働条件を守るための貴重な組織、専従職員の利便性を考えたら都庁舎内でないと!地方公務員法にも労働組合法にも認められてますからね、いいがかりつけられませんよ。これで職員が言うことを聞いてくれればお安いもの♪)

私の役人妖気アンテナがピン!と立った瞬間でありました…。

多くの議員は「違法じゃない」と言われると、アッサリあきらめてペシャン!とやられてしまうのですが、チームお姐は、斬り込まれた刀「労働組合法」を逆手にとって精読。

第二条にて「この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」としており、「最小限の広さの事務所の供与」のみが認められるとしています。

ですので、違法じゃないからタダ貸しつづけまーす!という木で鼻をくくったような答弁へ
「都民ファーストの観点からすると、職員の「勤務条件の維持向上を図る」ために月額五千万をタダでは都民は理解できないとはず。我が江戸川区でも私が区議時代に指摘して徴収するようになりましたことから、今後徴収の検討をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか?またご指摘の労働組合法によれば、最小限の広さの事務所と定められていますが見解を求めます。」

と切り返しましたところ、虚を突かれた財務局長の答弁は…

財務局長「(ガサゴソ←回答のない答弁文書をめくる)労使の相互理解を通じて円滑な都政運営を行うコトンいついて十分な効果発揮できれば無償供与の効果はある。また、供与にあたっては適法な必要な最小限の条件に限りまして財産管理上支障ないところで供与している。」

とのこと。

都庁舎の使用許可・貸付可能な総面積10,333.04㎡のうち12団体が使ってい総面積は1,817.46㎡ですから占める割合は17%にも及びます。

質問女王のお姐は、全庁にわたる、延べ数百人の課長職とやりとりをしてきましたが「場所が狭くて…」というぼやきに近い悩みを聞くことが多々ありました。ことに小池知事が旗をって始めた新しい取り組みチームには物理的な場所も必要でしょう。オリパラ組織委員会も、も実は都庁舎に間借りしてますが230万お支払い頂いてます!

【お姐総括!】
今回の一般質問のしめくくりの言葉をご紹介します。
「神は細部に宿ると言います。知事が高らかに掲げた改革マインドの灯火が、前知事任命の副知事はもちろん、幹部職員、あまねく第一線の16万余の都職員の心に灯り、なれ合い・先送り・隠ぺいから都民ファーストの善政競争へ昇華していくことを切に願い、再質問を留保し私の一般質問を終わります」

民間平均給与より高い公務員給与にあって今更月額5千万円チャラにして組合活動もあるまい!

デモもストもなくなった平成の御代にあって、東京都は都有財産を公務員様の身分確保でタダ貸しするのではなく、さっさと賃料をとるか、外部に出て行っていただき、第一線職員の仕事場に取り戻されたし。

灯せ、心に「都民ファーストの灯火を!」

☆お姐、しかし五千万25年もタダの言い訳にはあきれたな?!守れ都民財産!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

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