共産党は「黙っているのが最大の協力」と言われているのだろうか

早川 忠孝
蓮舫&志位

民進党と共産党はどのような「共闘」を見せるのか(編集部、毎日新聞より引用)

黙って降ろしてくれればいいんです、余計なことはしないで結構、と言われていることを共産党の方々はご存知だろうか。

まあ、面と向かってそういう言い方はしないだろうが、共産党や社民党の推薦は要りません、と民進党が言っているのだとしたら、民進党の幹部の皆さんは、共産党に向かって、黙っているのが皆さんの最大の協力です、と言っているようなものだ。

共産党の推薦があると票がどれだけ増え、共産党の推薦がないとどれだけ票が減るのかを知りたいところであるが、共産党の推薦があろうがなかろうが、共産党の支持者の方々は共産党の候補者がいなければ反自民、非自民の候補者に投票するに違いないと思うから、どうも民進党の現執行部のやり方でいいように思えてくる。

共産党の支持者の方々は政治活動に熱心で、真面目に投票所に足を運びそうだ。
よほどの事情がない限り自民党の候補者や宗教系の候補者には投票しないだろう。

共産党が前面に出てくると民進党の候補者からは引いてしまう有権者もいる、ということを考えると、民進党の中の保守系の候補者にとって、共産党の推薦はない方がいい、ということにもなる。

まあ、そんなこんなから、共産党は候補者を降ろしてくれればいいんですよ、ということになる。
たしかに乱暴な物言いだが、本音はそんなところだ。

普通はそんな言い方をされれば、ムッとして反対の行動をすることが多いのだが、今の共産党はどんなあしらいを受けても堪えるようである。

いずれは見返りがある、いずれはいいことがある。
そんな風に自分自身を思い込ませて、すべてのことをぐっと呑み込み、自分たちの我を通すこと、意地を張ることは一切止めているようである。

さて、それがどういう結果を齎すか。

いずれにしても、今日スタートする衆議院補欠選挙の結果である程度のことが分かる。

共産党の推薦があったり、共産党の方々が選対の中枢に入って選挙戦を仕切った方が成績がいい、ということになれば、来年1月の衆議院解散・総選挙では本格的な民進党と共産党の選挙協力という流れになるだろうし、共産党の推薦があろうがなかろうが選挙の実際には何の影響もないということになれば、共産党の最大の協力は、共産党からは候補者を出さない、口も出さなければ人も出さず、要するに何もしないのがいい、ということになる。

選挙雀の見どころは、こんなところにもある。

いよいよ今日から選挙である。
さて、どうなるのだろうか。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。