「金融機関」が投資家に与えてくれる2つのメリット

不動産投資をする時に資金調達でお世話になるのが金融機関です。現金ではなくローンでレバレッジを効かせるために必要不可欠な存在ですが、金融機関からお金を借りて投資をすることには、もっと大切なもう1つのメリットがあるのです。

それは、投資対象に対して冷静な目でダブルチェックを入れてくれるという「投資の目利き」という機能です。

融資を付けて購入したい不動産があると、物件の詳細を説明して金融機関に相談します。金融機関はお金を貸せば、金利収入が入ってきて、融資の実績も 伸びますから貸出しをしたい気持ちは山々でしょうが、無理な貸付をして顧客が窮地に陥ってしまってはせっかくの取引先を失ってしまいます。

そこで、真っ当な金融機関は投資家と同じ目線に立って、別の角度から投資したいという物件の調査をしてくれるのです。

投資をする時は前のめりになりがちですから、どうしても感情的になって判断にバイアスがかかります。不動産の物件を実際に見て、気に入ってしまうと 物件の悪い点よりも良い点ばかりに目がいってしまい、買うことを前提にその言い訳を自分自身に向けて探そうとしてしまうのです。

現金で購入するのであれば、そのまま一気に話を進めてしまうかもしれませんが、金融機関の担当者にもチェックをしてもらうと別の視点からのアドバイスをもらうことができます。例えば、

価格が担保評価に対して高すぎるのではないか
修繕の状況が不充分ではないか
空室リスクがこれから高まるのではないか
・・・

経験豊かな金融機関の担当者と色々な側面からの投資に対する意見交換をしているうちに、物件のポイントが見えてきて、自分が考えていた以外のチェックポイントがあることがわかってきます。

投資にはタイミングが重要ですから、他人の意見ばかり聞いていてはいつまで経っても判断できず、チャンスを逃してしまいます。一方で慎重さも必要です。「大胆かつ慎重に」という矛盾した判断をする時、専門知識を持った客観的な相談相手として金融機関は極めて重要です。

ただし、金融機関の中にはとにかく高金利で貸出しを増やすことしか考えていない「高利貸し」もいるので要注意です。同じお金を貸してくれる存在でも「金融機関」と「高利貸し」には月とすっぽんくらいの違いがあるのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年10月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。