写真は大類織絵氏。
読者の皆さまは、日ごろ正座をすることがあるだろうか。最近は、和風の部屋が少なくなったこともあり、めっきり正座をする機会が減ったように感じている。しかし、正しい正座をすることで得られる効能があるとしたら知りたいと思わないだろうか。
■簡単にできる正座エクササイズ
今回、インタビューした大類織絵(以下、大類)は、父親が剛柔流(空手の流派の一つ)の師範だったこともあり、子供の頃に剛柔流で黒帯を取得している。実績は、全国空手道選手権大会県大会優勝、同全国大会出場、2014年ジャパンオープン硬式空手道選手権大会(成人女子の部、型・組手優勝/世界硬式空手道連盟主催)、月刊空手道杯優勝など輝かしい。
最近では、結婚・出産を機にはじめた、空手をベースにしたエクササイズ方法が話題になり、TBS-BS「美容口コミ広場TV」、NHK-BS1「美スポ!スポーツでキレイに!」などの出演実績がある。今回は正しい正座の方法と効能について聞いた。
「空手の正座は左足から座って立つ時は右足から立ちます。これは剣道、柔道などにも受け継がれる武士の礼法になります。武士は刀を左腰に下げていました。腰の刀がすぐに抜ける姿勢が、正しい正座の座り方になります。」(大類)
座るときのコツは次の流れを参考にすると良いだろう。正しい正座の姿勢を維持することで、骨盤が正しい位置に戻る効果があるとのことだ。
1)かかとを揃える
2)親指はできるだけ重ねない。左右位置を揃える
3)両足の距離をできるだけ近づける
「背筋はまっすぐしてください。体重は後ろではなく、ほんの少し前にのせるようにしてください。この姿勢であれば足のしびれも感じないはずです。さらに骨盤が正しい位置に戻ると身体のなかにある変化がおこります。」(大類)
「骨盤が安定して背筋を伸ばすことにより日常生活で歪みがちな内蔵が本来のあるべき位置に戻ります。内蔵があるべき位置に戻ったら、空手の腹式呼吸をおこなうことによって内蔵を活性化し全身の血流を良くすることができます。」(同)
また、インナーマッスルを鍛えて燃焼系体質をつくる効果もあるようだ。大類は、食べ過ぎや飲みすぎて食欲が減退したときの食欲回復法に正座を推奨している。秋の夜長に食べ過ぎている方には朗報だろう。
■年末年始の対策に正しい正座を
いざ、正座をしてみると、思いのほか難しさが実感できるのではないかと思う。慣れていないときには、クッションやマット類を敷くことで足や腰への負担を軽減するなどの対策も必要だろう。無理をせずに続けることが大切である。
「食べ過ぎであれば膨張した胃が正しい位置に戻ることで、下腹太りやぽっこり腹の回復などの効果も見込めると思います。正しい正座をして体調を整えてください。また、生活の一部として取り入れるのであれば朝と寝る前が理想的です。」(大類)
秋の夜長を越すと、多くのビジネスパーソンにとっては、高カロリー摂取によりメタボ化が懸念される楽しい年末年始に突入する。あとで後悔しないためにも、いまから生活の一部に正しい正座を取り入れては如何だろうか。また、飲みの席でも、正しい正座をすることでエクササイズ効果を高められるかも知れない。上司に教えたら喜ばれるかも知れない?
参考書籍
『整形メイク刑事』(ムゲンブックス)
尾藤克之
コラムニスト
PS
12月6日(火)に「【第3回】アゴラ著者入門セミナー」を開催します(申込みはこちら)。「アゴラ出版道場2日目の様子」もこちらでご確認できます。