「飲み放題」で得するのは、お店?それともお客様?

内藤 忍

以前からお知らせしていた通り、SHINOBY`S BAR 銀座では本日から1か月、プリフィックスコースご注文のお客様にフリーフロー(飲み放題)を提供いたします。ボトルではなく、美味しいワインを少しずつ試してみたいという方にはピッタリのサービスです。

写真の看板左側を見て頂ければわかる通り、グラスワインは通常800円~1700円で10種類。これが、何杯飲んでも3500円ですから、800円のワインでも5杯、1700円のワインなら3杯飲めば、元が取れてしまうことになります。

しかも、価格が固定されているので注文する時も会計を気にしないで飲みたいものを注文できるメリットもあります。いくらになるか会計を気にしながらチビチビワインを飲むのでは心から楽しむことができません。

お客様にとってメリットのある飲み放題ですが、お店にとってのメリットはどこにあるのでしょうか。

まず、飲み放題をやると1人あたりの利益は確実に下がります。例えば、3500円の追加料金で、グラス1000円のワインを5杯飲めば、同じ原価で売上が5000円から3500円に30%減りますから、原価率が高くなるのです。

しかし、フリーフローの告知を見てくる人が増えれば、お店の来店客数アップにつながり、1人あたりの利益率は下がっても、売上はアップし、利益も恐らく増えることになります。

また、グラスワインを2~3杯飲もうと来店した方が、フリーフローに変更してもらえれば、1人あたりの売上もアップします。お料理も単品注文しようと思っていたのが、フリーフローを注文するためにプリフィックスコースにしてもらえれば、こちらも売上アップに貢献します。

つまり、フリーフローとは今までのお客さまにメリットを還元しながら、新しいお客様にも魅力を感じてもらい、売上アップを通じて、最終的にお店も利 益をあげていこうという「Win-Win」な考え方に基づいているのです。今まで通りのバイザグラス(1杯売り)でも注文は可能ですから、お客様には損は ありません。。

飲食では品質を落とさずに価格を下げれば、お客様は増えるはずです。しかし、特にワインバーの場合は価格が品質を表す「シグナル」にもなっているの で、安易に値下げすると品質に対する期待が低下して逆効果の場合もあります。例えばグラス800円のワインを500円に値下げすれば、同じワインであって もお客様は質を下げたと勝手に推測します。価格を下げないで、良いものをよりリーズナブルに提供するための方策がフリーフローなのです。

今月1か月の限定サービス。たくさんの方のご利用をお待ちしています(イベントなどで混雑している場合もあり、事前の予約を強くお薦めします)。

<お店のご案内>
SHINOBY’S BAR 銀座
東京都中央区銀座 5-10-10 6F
03-6280-6757(営業時間以外は留守電対応)
平日17時00分~23時00分営業(土日祝お休み)

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年11月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。