これは自民党の菅原一秀衆院議員が今年6月17日、東京都知事選をめぐる自民党の会合で、蓮舫代表代行(当時)について「『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」と発言した問題で、彼女が菅原氏に抗議した6月28日のツイートだ(証拠は保全した)。
蓮舫氏は朝日新聞の取材に「(帰化して泣いたというのは)SNSで拡散されているデマだ」とコメントし、「生まれ育ち愛する日本を国籍とする私」と書いている。これは2004年の選挙公報に書いた「台湾国籍から帰化」という経歴を否定して「生まれたときから日本国籍だった」と有権者にアピールするものだ。
彼女が日本国籍を取得したのは1985年だから、「生まれ育ち」は経歴詐称である。9月3日の読売テレビでも、彼女は「生まれたときから日本人です」と答えており、最近は一貫して自分のアイデンティティが日本人だと強調している。これは2004年の「帰化」とは異なる説明だが、どっちも嘘である。
このツイートは6月22日に参院選が公示されてから7月10日までの選挙期間中なので、公職選挙法235条違反(虚偽事項公表罪)の証拠である。彼女は生まれたときは台湾国籍だった経歴を隠しているが、17歳まで日本国籍をもっていなかったことは自分で知っているはずだから、これは「故意」の虚偽事項公表である。
今年の選挙では、彼女は国籍についての記述を選挙公報から削除しているが、他の宣伝文書で「生まれも育ちも日本国籍だ」と書いていた疑いが強い。検察が家宅捜索する前に、民進党が第三者委員会をつくって調査すべきだ。
追記:「泣いた」というソースは見当たらないが、1992年6月25日の朝日新聞夕刊に次のような記事がある。
父が台湾人、母が日本人。19歳のとき、兄弟の就職もあって日本に帰化した。東京で生まれ育った身にとって暮らしに変化はなかったけれど、「赤いパスポートになるのがいやで、寂しかった」。
「赤いパスポート」というのは日本の旅券である。彼女は「在日台湾人で日本人になりたくなかった」という個性を売り物にしていたので、菅原氏の話は「泣いた」部分以外は正しい。少なくとも蓮舫氏のツイートより事実に近い。