どうも新田です。トランプが負けると思っていたら、結果的にババを引いた人が、そこかしこにいるわけですが、選挙中、安倍さんがヒラリーに会ってしまって、大丈夫かなと思っておりました。
「クリントン大統領」に貸し作った安倍首相のギャンブル シンゾー・ヒラリー時代はやって来るのか(木村正人:ヤフー個人)
元産経の木村さんが書いておりますが、総理は見事にこの「ギャンブル」で、スってしまいました。もちろん政治判断を最終的にするのは、総理になりますし、最終責任を負うわけですが、これは結果論ではなくて、やはり選挙中に片方の陣営に会うというリスクを取らせるだけの判断材料を提供した人物については、外務省なのか、自称米国通の自民党議員なのか、いずれにせよ、詰め腹を切らされてもしょうがないし、切らさないと新政権に対して示しが付きません。
そもそも、アゴラで渡瀬さんがさんざん指摘していたわけですが、どうもこの国の米国政治通と言われる方々の多くが、意外に民主党寄りだったりして、そのポジショントークに基づいた分析・報道をいかに蔓延していたのかな、と思う次第です。
まあ、バツが悪いと思ったのか、官邸は、当確が出る前にもうこんな情報を出して官邸クラブの記者たちに速報が出させておりました(笑)。
首相、河井補佐官に来週訪米指示 新政権と会談へ(日本経済新聞)
まあ、速報も大事なんだけどさ、結果的にどうだったのか、判断に至るまでのプロセスで、誰が総理に吹き込んだのか、検証すべきだし、野党のセンセイ方や、政治部の記者さん、ジャーナリストの皆さんには「犯人探し」を期待します。単なる吊るし上げショーを望んでいるというよりも、なぜ予測を外してしまったのか、今後の外交判断を精緻化するために検証が必要じゃないでしょうか。
まあ、結局、「ヒラリーが勝つだろう」「ヒラリーに勝ってほしい」という楽観論が失敗の本質になるんでしょうが、12月の対露交渉に向けてもまたぞろ「楽観シナリオ」が日本で一人歩きして案の定、領土は帰って来るのか雲行きも怪しくなっておりますし、日本の外交情報の弱さは、戦時中にソ連対日不参戦の予測を外しちまった頃から変わっていない宿痾に近いものじゃないか、と暗澹たる気持ちになります。
どちらにせよ、国内政局的にも総理の解散総選挙の判断に大きな影響を与えるのは必至ですね。ではでは。
(追記17:45)総理もすぐに祝辞を出したようです。公式サイトにすぐアップするので、プレスリリース報道の意義が薄らぐと再痛感します。
安倍晋三内閣総理大臣によるドナルド・トランプ次期米国大統領宛祝辞
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20161109message.html
21世紀においては、日米同盟は、国際社会が直面する課題に互いに協力して貢献していく「希望の同盟」であり、トランプ次期大統領と手を携えて、世界の直面する諸課題に共に取り組んでいきたいと思います。
トランプ次期大統領のますますの御健勝と御成功を心より祈念いたします。
お、おう。。。総理のフォローの御成功を心より祈念いたします。
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