ホテルの予約に宿泊予約専用サイトを使うと損をする?

内藤 忍

旅行に行く時のホテルの予約は昔に比べて随分楽になりました。国内なら一休、海外ならBooking.com(ブッキングドットコム)といった宿泊予約専用サイトが予約可能なホテルを一覧表示してくれて、宿泊者のレビューを見ながら選ぶことができるからです。

しかも利用金額に応じてポイントが溜まったり、頻繁に利用する人だけの専用の宿泊プランが提供されたりと、使えば使うほどメリットが出るように囲い 込まれていきます。ホテルのサイトで直接予約するよりメリットがあるように見える宿泊サイトですが、実は高級ホテルになると宿泊サイトよりホテルのページ から直接予約を入れた方がお得な場合が多いのです。

高級ホテルの場合、ホテルのサイトから直接予約を入れると、チェックインの際にお部屋がアップグレードされるケースが珍しくありません。リゾートホ テルで一番安い部屋を予約したのに、オーシャンビューの広い部屋に換えてくれた。そんな経験をすることが多いのです。1泊200ドル近く高い部屋に通されたこともありますが、それは宿泊サイト経由の予約ではありえないことです。

宿泊サイトの場合、ホテルの中の一定の部屋を販売して、それに対して手数料(10%程度)をホテルから受け取る仕組みになっていすはずです。5万円の部屋を予約しても、宿泊サイト経由だとホテルの手取りは45000円で5000円を手数料として支払うことになります。そして、最初から割り振られる部屋は決まっていて、販売委託していますから、アップグレードする必要も無いのです。また同じグレードの部屋でも良い部屋は回さないはずです。

ホテルに直接予約したお客様は、そのホテルに対するロイヤリティが高いことを示しています。しかも宿泊サイトに手数料を払わなくて良い高収益顧客になります。さらに、宿泊情報や連絡先なども知ることができますから、顧客リストとして将来のリピートが期待できます。だから、同じ宿泊客でも重要度が高い顧客と認識され、相応の対応がなされるはずなのです。

このように考えると、宿泊サイトで予約するのと、宿泊施設に直接予約するのは、大きな違いがあることがわかります。ポイント狙いで宿泊サイトを使い まくるのも1つの方法ですが、高級ホテルでは直接予約を入れた方がメリットが大きい気がします。オフシーズンで稼働率が下がっている時は特にアップグレー ドの確率が高まるはずです。

と、ここまで旅行好きの業界の素人が、勝手に推測して書いてみました。誤解もあるかもしれません。業界の裏側をご存知の方がいらっしゃれば、真実を教えてもらえるとうれしいです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行います が、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年11月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。