よく変わるか悪く変わるかはともかく、アメリカは大きく変わる

首相官邸サイトより

アメリカがTPPから抜けても現状のままなんだから、そう変わらないはずだ、などと現在の事態を捉えておられる方もおられるようだが、アメリカの大統領が変われば何にしてもアメリカは大きく変わる、と見ておくべきだろう。

どうせ変わるのだから、今は何をやっても意味がない、などと仰る方は、どうも国の指導者としては消極的過ぎて頼りにすることが出来ない。
叶わないまでも、とにかく変わろうとする相手を出来るだけいい方向に変えていくための努力はしなければならない。

TPPの推進が本当に日本にとっていいことかについては、色々異論があるところで、いいところと悪いところ、どうでもいいところなどが混在していたのだと思う。

政府はTPP推進に舵を切っていたが、妥協の産物とは言え、TPPについてはこの点はどうも、という部分があることは事実である。

私などは、ISDSは外した方がいい、たとえ特殊な分野であっても日本の司法権、裁判権が及ばないような制度を導入するようなことは止めた方がいいのだが、という立場だったが、そういうことがあっても日本の将来の経済発展を考えればTPPを推進した方がいい、と国会が決めるのであればそれはそれで仕方がないのかな、などと実に中途半端な状態でいた。

アメリカがTPPから離脱することになれば、とりあえずはTPPに関する議論が先送りになるのだから、それはそれでいいのかな、ぐらいの感覚で受け止めているところである。

問題は、トランプ氏がTPPに代わって二国間交渉を主張しているところだ。
アメリカ・ファースト、アメリカ一国の経済的利益のみ主張してくるアメリカは、交渉相手としては少々厄介だろうな、と思っている。

アメリカが力づくで何でも日本に押し付けてきたらどうしたらいいか、アメリカが力づくで日本に無理難題を押し付けてくることがないようにするためにはどうしたらいいだろうか、などということを懸命に考え始めたところである。

アメリカの窮状にも十分同情しながら、しかし、双方にそれなりの利益を齎すような道を探らなければいけなくなるな、というのが私の理解である。

どうせ変わるのだから、出来るだけいい方に変わるように日本として努力するべきだろう、というのが私の意見である。

私自身は具体的な提案が出来るような立場にはないが、こういう時に頼りになる人が必要だろうというのが私の感想だ。

おう、安倍さんの希望するような方向には行かなかったが、安倍さんはそれなりによく動いたじゃないか。
あれやこれやケチをつける人が出てくるだろうが、ケチをつける人は何も出来ず、現に何もしない人。

安倍さんは、結果は出せなかったが、まずはよくやった。
これからの努力次第でトランプのアメリカをいい方向に変えていくかもしれないじゃないか、というのが、現時点での私の評価である。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年11月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。