ベストセラーは狙って書けるものなのか

10年で30冊以上の書籍を書いてきましたが、10万部を超える書籍は「資産設計塾」シリーズ(13万部)と「初めての人のための資産運用ガイド」シリーズ(15万部)の2つだけです。それもベストセラーを狙ったのではなく、たまたま想定以上にたくさんの読者の方に読んでもらえたというのが現実です。

今までの本の執筆パターンは、自分が書きたいと思うテーマを出版社に持ち込んで、そのまま出版するという「プロダクトアウト」の発想でした。こう やって毎日ブログを書いているのと同じように、自分の中に様々なことに対する問題意識があって、それをコンテンツとして世に出した。自分勝手な押し付けと 見ることもできるのです。

今回とある出版プロデューサーの方と出会い、「プロダクトアウト」ではなく「マーケットイン」からの発想で本を作ってみることにしました。マーケッ トインとは市場のニーズを把握して、それに合った作品を構想して制作していく対極のアプローチ方法になります。今までやったことの無かった初めての経験で す。

その第一歩として、確認したのは自分が著者としてどんな立ち位置にあって、世の中の読者の方からどのような内容の作品を出すことを期待されているの か。その自己認識にかなりのズレがあることがわかりました。資産運用の具体的方法だけではなく、読者にはもっと多様なニーズがあることを教えられたので す。

このようにして、世の中の人たちが私の本に対してどんなニーズを持っているかを知り、その中で自分が価値を提供できるエリアを探していく。

自分が価値を提供できるというのは実際にできることも重要ですが、そのような価値がある人材として認識されていることが必須です。

例えば、大前研一氏が経営戦略の本を書いてベストセラーになるのは、経営コンサルタントとして経営に関する知見を持った第一人者だと認識されているからです。経営センスがあっても、世の中から認知されていなければ本は売れません。

では、自分自身を振り返った時、世の中に認知されている自分にしか提供できない価値はどこにあるか?

結論はやはり「お金」です。ただし、今まで書いてきたようなお金の運用だけではなく、もう少し広い分野を対象に、お金の流れを掴むためにどんなポイントを押さえたら良いか。その考え方や具体的な方法を書いてみようと思っています。

新しいアプローチ方法で、世の中を驚かせるような本を出版する。来年の目標が1つ増えました。

(写真は12月からSHINOBY`S BAR 銀座で提供する新メニューです。牛ほほ肉の煮込み、最高です!)

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行います が、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年11月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。