政党復活枠をなくすと、予算全体に対する議会のチェックが格段に厳しくなるはず

新年度予算からの「政党復活枠」廃止で、都議会議員の仕事ぶりは変わるのか(都庁サイトより:編集部)

都議会議員の皆さんの仕事が増えるだろうな、と思っている。

今までは200億円の政党復活枠の分捕り合戦ぐらいの気持ちで東京都の予算案を眺めていたのが、政党復活枠そのものが無くなってしまえば都庁の予算全体に対して目が行くようになるのは自然の成り行きである。

200億円も大変な金額だが、都庁全体の予算ということになると一般会計、特別会計、公営企業会計全体で13兆円余りになる。

13兆円の大半は動かしようのない固定経費みたいなものかも知れないが、それでも個別に見て行けば色々動かしようがあるはずである。

今までは200億円の政党復活枠だけに拘っていた人もこれからは都庁の予算全体についてあれこれ口を出すことになる可能性がある。

今までは国会議員と市区町村議会議員の間の中二階の存在だと思われてきた都議会議員の方々の仕事が格段に増える可能性がある。

小池都知事の誕生で都政に関心を持たれた方がグッと増えているはずである。
有権者の方々がこれからは一人一人の都議会議員の活動ぶりに注目し始める。
単に投票マシーンになっていた人は、これからは自分の専門分野を持たなければならないことになる。

都議会議員の一人一人が、真に都民の代表者として仕事をしているかチェックされるようになる。
都庁の担当者の人たちもさぞ大変になるだろうが、都議会議員の皆さんも大変になる。
段々お手盛りの海外視察など出来なくなるのだろう。

都議会が都庁の担当者と都議会議員の間の真剣勝負の場に変変わっていく可能性がある。

当選の可能性が殆どない国会議員を目指すより、実際に仕事が多そうな都議会議員を目指されたら如何。

若い方々におススメしておく。
今は、東京都政が面白そうである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年11月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。