ある都議会議員の方が有明地区の開発についてご自分の夢を語っておられる一文に接した。
ふーん、と思ったが、違和感が拭えない。
もう、東京はいいんじゃない?というのが私の率直な感想である。
確かに有明地区には大きな可能性がありそうだが、東京だけどんどんよくなる、ということには一種の罪悪感を覚えてしまう。東京と地方の格差がますます広がってしまうような構想だと思う。
地方の疲弊や一般の国民の経済的困窮を顧慮しない、東京一極集中の偏頗な夢だなあ、と思ってしまう。
世界中からVIPが集まるような地域を創造しても、それで特に日本の国民が豊かになるとは思えないし、世界中から集まる世界の富裕層やVIPの姿を目の当たりにすれば東京のみならず日本中の貧困層の怨嗟を招くだけではないかしらとさえ思う。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを出汁にして東京だけの繁栄を考えるような構想にはどうも賛同し難い。
こんな構想を聞いてしまうと、有明アリーナは止めて横浜でやればいいじゃないか、という思いが募ってくる。
しかし、横浜構想は多分潰されてしまうのだろうと思っている。
相手があることだから、東京都がいくら頑張ってもダメなものはダメだ。
むしろ、有明地区がそんなに魅力的なら、民間の事業者が食指を伸ばしてくるはずだ。
もう、こういう施設を公共団体が作る時代ではない、いい加減止めておいたら、というのが私の率直な感想である。まあ、間違っているかも知れないが。
万一、ご本人に迷惑が掛かってしまうと困るな、と思っているが、妙にご本人が意気軒高なようなので、ちょっとだけ水を掛けておく。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。