小池塾の受講生の皆さんへ

早川 忠孝

小池政治塾で講演する小池氏(ツイッターより:編集部)

さて、この講演で魂を揺さぶられるような感動が得られるかどうか

聴く人の心をグイッと掴むような話が出来る人は少ないが、私は石破さんはそういうことが出来る稀有の人だと思っている。

鬼瓦のような顔で損をしているように見えるのが玉に瑕だが、しかし政治に関心のある若い方々が聴くのなら石破さんがいい。

どんなことでも分かりやすく解説してくれる人、話し方がザックバランでとにかく親しみが持てる人、話の枕に上手なたとえ話を持ってきて自分の言いたいことを要領よく語ってくれる人などなどいわゆる話の上手な人はあちこちにいると思うが、いわゆる話が上手な人の話は聞いていて耳に優しいが、ただそれだけのこと。

若い方々の心に火を点けるところまでは行かない。

今政治を志す人に若い方々にとって必要な人は、多分そういう人ではない。
若い方々の心を揺さぶり、共に行動しようという想いを掻き立てる人、若い方々の心に火を点ける人だろうと思う。

一度だけ野中広務さんの街頭演説を聞いたことがあるが、野中さんも人の魂を揺さぶるような話が出来る人だなあ、と思ったものだ。

大阪の橋下氏が政治の第一線にいた時は、多分橋下氏もそうだろうと思っていたが、単なるタレント弁護士に戻ってしまった現在どの程度若い方々の魂を揺さぶるような話が出来るかどうか分からない。

小池政治塾に何人かの話し上手な方々が登場して講演されるようだが、やはり若い方々の心に火を点けそうな人は今のところ小池さん一人だろうと思っている。

小池さんは大変な覚悟をして崖から飛び降りた人だから、小池さんの話を聞いて奮い立つ人が何人もいるはずだ。
小池さんの応援のために立ち上がった豊島区長や若狭さん、7人の侍に擬せられているなども豊島区議や練馬区議などの話を聞けば、自然とこれらの人の興奮が伝わってくるはずだ。

学ぶべきなのは、そういう方々の話である。

崖から飛び降りたことのない人の成功譚や人生訓を聞いても大して役に立たないだろう。
評論家的な政治談議も今一つピンと来ないはずである。
講師の皆さんから血が滴るような話が聞ければずいぶん役に立つと思うが、さてどこまでの話が聞けるか。

本当の話は、ごく少数の人しか聞けないものである。
政治塾が本当に役に立つようになるのは、多分年明けからだろうと思う。

今は、話が上手な人の話し方を学ぶだけでいいだろう。

まずは100人の中に入れ

さすがに2900人以上もの人の面倒を一度には見れない。
2900人の中から100人を選抜する作業は大変だろうが、やはりどこかで絞らざるを得ない。

選考に漏れたからと言って絶対にダメだと判定されたわけではないから、決して失望することはないのだが、競争社会ではある種のサバイバルゲームがあちこちで繰り広げられている。

頑張って100人の中に潜り込むことである。
約30倍の競争率の中で勝ち残った100人は、それだけである種の箔が付く。

100人の中から本当に都議会議員選挙に挑戦できる人が何人出てくるか分からないが、選ばれた100人の中に入れれば世界がグッと広くなるはずである。

問題は、2900人余りの中からどうやって100人を選抜するかである。
相当人の目利きが出来る人が必要になる。

維新はどうもそのあたりが上手く行かなかったようだ。
なんでこういう人を選んだの?と思うような人もいれば、なんでこの人を選ばなかったの?ということもある。

多分、小池政治塾でも同じようなことになるのだろう。

人の目利きは、そう簡単なことではない。
たとえ選ばれなくてもガッカリすることはない。
選考に漏れても、選挙の本番では結構有権者から支持されるような人もいるものだ。

ガッツがある人が、最後は勝つ。

頭の良し悪しは、殆ど関係ない。
丸っ切り演説が出来ない人はダメだが、訥々とした物言いの人でも結構有権者にアピールするものである。

やってみますか?


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月4日の記事で、小池政治塾関連の2つのエントリーを時系列順に合併し、タイトルを変更して転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。