小池さんは魔法使いサリーのような存在ではないかしら

早川 忠孝

池袋のコスプレイベントでサリーに扮した小池百合子氏(同氏ツイッターより:編集部)

小池さんは、ドラえもんみたいにポケットから何でも取り出せるような人ではないと思っている。

小池さんが出来ることには明らかに限界があり、皆さんがいくら、あったらいいな、出来たらいいな、と願っても、願っただけではなかなか実現するものではない。

オリンピック競技会場の移転問題について皆さんが描かれた夢が実現しなくてもガッカリされないことだ。

どうせ出来ないんだったら、私たちに夢を抱かせるようなことは言わないでください、などと口をとんがらせて文句を言いそうな人もおられるようだが、大体はやって見なければ分からないことだらけで、ほんの少しの期間でも夢を見ることが出来たことで納得していただくしかない。

小池さんはどう見てもドラえもんのポケットは持ち合わせていないようだから、出来ないものは出来ない、としか言えない。

何億円か何百億円かオリンピックの開催経費の縮減に繋がったから大成功だ、などと褒めそやす人もいるにはいるが、ちょっぴり関係者の皆さんの期待に背いてしまったことは否定し難い。

宮城県の皆さんには期待させちゃってゴメンナサイね、ぐらいのメッセージは送っておいた方がいいかも知れない。

ところで、小池さんに自民党から抜けろ、などと仰る方がおられる。

いずれそうなるかも知れないが、今の段階で小池さんが自民党から抜ける、などと言ってしまうと如何にも自民党を敵に回して戦う、みたいな印象になってしまうから、大事な都政の舵取りを担う小池さんの立場としては、そこまで頑ななメッセージを発することは得策ではないはずだ。

私のことは、私が決めます。
そう答えて、小池さんは自民党離党の一言を聞きたがる記者の皆さんをあっさりといなしたようである。

自民党東京都連から除名処分をされた7人の侍を全力で護るという意思を表明しながら、しかし自民党から抜けるかどうかは自分で決める、というのだから、小池さんは自民党という縛りには大して重きを置いていないことが分かる。

私は誰からも縛られていない、私は自由である、私は私の判断で行動する、という宣言だと受け止めておくべきだろう。

小池さんにとっては、もはや自民党という組織の縛りは通用しない、ということだ。

現に小池さんは民進党の代表の蓮舫さんともエールを交換しているし、民進党の衆議院議員のパーティーにも顔を出して挨拶をしているそうだ。

自分の応援をしてくれる人は、皆、歓迎。
自分と共に東京大改革のために働いてくれる人は、皆、歓迎、というところだろうか。

小池さんがどこに顔を出すかは、小池さんの自由自在。
どこにでも行けるのが、小池さんである。

ポケットから何でも出せるわけではないが、小池さんはどこにでも行ける。
だから、小池さんは、ドラえもんではなく魔法使いサリー。

まあ、私の勝手な命名だが、今の小池さんにはそのくらいの魅力がある。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。