カジノ解禁は空騒ぎに終わることを祈る

日本でカジノは定着するのか?(GATAGより:編集部)

私は、ほんのお遊び程度の賭け事まで法で禁止したり、違反に対して厳しい刑事制裁を課すまでの必要はさらさらないと考えている。

お遊びは、お遊びである。
あらゆる遊びを禁止したらさぞかし息が詰まるだろうと思っている。

犯罪の温床になったり、社会に害毒を流すような事態になったら厳しく取り締まらなければいけないが、誰にも迷惑を掛けない、暴力団等の資金源にならない、善良な社会秩序を破壊しない態様のささやかな賭け事など、見て見ぬふりをすればいい、と思っているくらいだ。

だから競輪や競馬、競艇などの公営のギャンブルについては、依存症の対策を講じてさえいればそう目くじらを立てる必要がないと思っている。
自分でやろうとは思わないが、これを禁止して人の楽しみを奪おうとも思わない。

ほんの遊び程度ですよ、そう念を押すくらいのところだ。

パチンコもスロットも似たようなものだ。
自分でやろうとは思わないが、他人の楽しみを奪うようなこともしたくない。

さて、カジノはどうか。
私は本格的にカジノで遊んだことがないから、カジノの魔力がどの程度なのか語ることが出来ない。
今は賭博罪で摘発されることが分っているから、カジノに手を触れるようなことは一切しないし、考えもしない。
まあ、異次元の世界にあるようなものだ。

今朝の未明に、IR法、いわゆるカジノ解禁法修正案が衆議院本会議で可決されて成立したようだ。
私には何の感興も湧かない。

何の喜びもないし、涙を流すようなこともない。
何だか面倒な法律が出来てしまったな、というくらいの感想である。

日本では多分上手く行かないのだと思っている。
これで本格的な統合リゾート施設を作ることが出来る、などとウキウキしている人たちもいるだろうが、いずれ宮崎のシーガイアみたいなことになるのではないかしら、と醒めた目で見ている。

仮にそういう施設が出来ても私がそこに行くことは生涯ないだろうと思っている。
私にはおよそ無縁のものである。

私には、きらびやかな衣装をまとった、如何にも富裕層風の人たちが集まりそうな施設に立ち入る勇気も趣味もない。

おもてなしを受けるのは大好きだが、賭場は要らない。

まあ、日本ではどうも採算が取れないな、ということで、皆さん、早く夢から覚めていただくのを願うだけである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。