【映画評】ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

渡 まち子
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銀河全体を脅かす帝国軍の究極兵器、デス・スター。その設計図を奪うために、反乱軍は、窃盗、暴行、書類偽造などの悪事を重ねてきたジン・アーソに白羽の矢を立てる。彼女と共に闘うのは、情報将校キャシアン、盲目の僧侶で武術の使い手チアルート、チアルートの相棒で巨大銃ブラスターを駆使するベイズ、貨物船の凄腕パイロットのボーディーら。この極秘部隊ローグ・ワンは、困難かつ無謀なミッションに立ち向っていくが、その運命のカギは天才科学者であり、何年も行方不明になっているジンの父ゲイリン・アーソに隠されていた…。

「スター・ウォーズ」(以下、SW)サーガのスピンオフ作品「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」。「エピソード4」でレイア姫がR2-D2に託した帝国軍の究極兵器デス・スターの設計図が、いかにして反乱軍にもたらされたかを語るアナザー・ストーリーだ。何しろ、配給会社から、最上級のセキュリティとネタバレ禁止令が出ているので、物語の詳細は明かせない。ただ、今まで語られてきた、スカイウォーカー家や、ジェダイという特別な力を持つキャラクターではなく、名もない人々の勇気を描くこの物語は、多くの観客の共感を呼ぶのは間違いない。ヒロインのジン・アーソをはじめ、ローグ・ワンのメンバーたちは、生きるために時には犯罪にも手を染めてきた無法者だ。そんな彼らが銀河の平和と希望を信じて命がけで戦う姿と、SWの通奏低音である家族の物語に胸が熱くなる。

クライマックス、ローグ・ワンの死闘とその先の運命は、興奮と感動で満たされるだろう。映像は文句なしに素晴らしいが、何よりもドラマ・パートが秀逸なのである。劇中には数々の小ネタのお楽しみも用意されていてSWファンには嬉しいかぎり。お決まりのセリフ「嫌な予感がする」もちゃんと登場する。ディープなファンはもちろん、独立した物語のため、SW初心者にも楽しめる作りなので安心してほしい。SWは最先端テクノロジーの映像メディアによる現代の神話だ。例えば、ギリシャ神話や三国志に、多くの英雄や豪傑がいて、魅力的なエピソードが多数あるように、SWの本流の周辺には、星屑にも似た数限りない物語が存在している。それらこそ、SWを輝かせる、かけがえのないスターダストなのである。
【85点】
(原題「ROGUE ONE A STAR WARS STORY」)
(アメリカ/ギャレス・エドワーズ監督/フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、ドニー・イェン、他)
(家族愛度:★★★★☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2016年12月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。