日本原電敦賀原発。規制委員会と原電が、活断層の有無で争っている
(GEPR版)
福島第一原子力発電所の事故を教訓に民主党政権下で発足した、原子力規制委員会と原子力規制庁。独立性確保の名目の下で与えられた巨大な権力を背景に、その行政活動は明らかにおかしい。法律の無視、そして科学的分析を欠いた恣意的な規制を繰り返す。
そして原子力規制の専門性、そして原発の是非という難しい問題から逃げ出した政治家、政権与党、そして経済産業省、無関心の世論が、規制委員会の悪影響を与えている。
問題点は多すぎるが、主要なものは3つだ。
1・行政手続きが、法的根拠がなく行われていること。
2・原子力の安全審査が煩雑さのみが目立ち、合理性を欠いていること。
3・原子力発電の長期停止によって、日本経済に2012年以来、20 兆円以上の追加燃料負担が加わっていること。
以上の3点だ。アゴラは規制委員会の問題を取り上げてきた。このおかしな行政機関をつくった当時の政権与党の民主党、改革を進めず、さらに原子力再稼動の遅れを放置して国民負担を増やす自民・公明の連立政権と経産省の罪は重い。問題の認識を広げ、早急な改革が必要だろう。
【行政手続きの問題について】
2014年2月24日、アゴラ所長池田信夫氏記事。原子力規制委員会は、バックフィット、規制の遡及適用を行っている。しかし、その根拠となる法令はなく、田中俊一規制委員会委員長の私的メモが根拠になっている。制度、法制上の明確化の必要を、池田氏は訴えている。
【規制の内容について】
原子力規制委員会、敦賀原発審査の闇-文書改ざん、メール削除、違法行為の疑い
2015年12月21日記事。石井孝明(GEPR編集者、ジャーナリスト)原子力規制について、非科学的な審査を積み重ねている。特に日本原電敦賀原発、北陸電力志賀原発、東北電力東通原発で、敷地内、もしくは原発下部に活断層の存在が認定され、事業者と対立状態になっている。
2015年3月4日記事。原子力規制委員会が、専門家をないがしろにすることで、政治活動を積極的に行う人々が、審査に参加するようになったことを伝える記事。石井孝明寄稿。
川内原発遅すぎる再稼働 安全規制はここがおかしい−「世界一」の厳格規制がもたらすリスク
2015年8月12日記事。ウェッジ。原子力規制行政が炉の装備を増やすばかりで、リスクを総合的に管理する合理性を欠いていることを指摘する記事。石井孝明寄稿。
【巨額の国民負担】
2015年2月2日記事。元東芝の原子力部技監である諸葛宗男氏の寄稿。このままのペースだと、2038年まで正常化が続き、総額55兆円かかることを指摘している。
2016年12月9日のGEPR では、規制委の活動への疑問を示す滝波宏文自民党参議院議員、浜野喜文民進党参議院議員のインタビュー記事を掲載している。
(石井孝明 GEPR編集者 ジャーナリスト)