誰かのロボットになるために選挙に出る人はいないはず

※写真はイメージです(写真ACより:編集部)

初めから結果が分かっている選挙では、いくら選挙管理委員会や候補者の陣営が有権者の方々にもっと選挙に関心を持ってもらいたい、などと訴えても、まず聞いてもらえない。

勿論組織的な背景がある人は、自分が立候補していなくても自分の選挙のように熱心に選挙に参加するだろうが、大体の人は無関心のままである。

何を訴えても何の反応も返って来ない。

せめて、いいとか悪いと言ってもらえれば、自分の人生を賭けて選挙に挑戦した人はどんな結果になってもそれなりに納得と言うか満足するものだが、大半の人からソッポを向かれてしまった選挙に挑戦したご本人たちは、さぞ虚しいだろうと思う。

やるなら白熱した選挙戦をやってもらいたいものだ、と思っていたら、どうやら本当に白熱した選挙戦になるようある。

有権者の方々にとっては、実に幸いなことだ。
あなたの一票で決まる、とスローガンが単なるお題目ではないことを有権者の皆さんがご自分で体験できるようなる。

候補者の陣営の皆さんには大変だろうが、有権者にとってこれほどいいことはない。
有権者が、自分が主権者だということを実感できる日が近い。

来月投票日を迎える千代田区長選が熾烈な選挙になることが確定した。

自民党都連のボスと小池さんの代理戦争だ、などと囃し立てる人がいるが、立候補される方々はそれぞれにご自分の意思で立候補を決められたはずで、誰かのロボットになるために選挙に出るような人は一人もいないはずである。
候補者は、それぞれに立派な見識をお持ちのはずである。

「私は、誰のロボットでもない。」

まずは、そう高らかに宣言されてみては如何だろうか。
特に現職の区長に戦いを挑む新人の方は、そうされた方がいい。

そうでないと、如何にも小池さんの足を引っ張るために自民党都連のボスの意向で選挙に担ぎ出されたような印象が残る。
単なるロボットには、誰も魅力を感じないはずだ。

ご自分が自立した人間であることを示すために、この際、「私は、あくまで小池さんと手を携えて東京大改革を推進していく」ぐらいの大見えを切られてもいいのではないか。
そのくらいのことをすれば、仮に今回は結果を出せなくても4年後に繋ぐことが出来る。

くれぐれも、小池さんの反対陣営にいて小池さんの足を引っ張ろうとしている、などという芳しきないレッテルが貼られないようにはされておかれた方がいい。

お節介ながら。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。