哲人政治家オバマから辣腕事業家トランプへの移行

家族らが見守る中、就任の宣誓をするトランプ氏(ホワイトハウス公式Facebookより:編集部)

トランプ氏は200%の経済人で、政治家としては理想主義者である哲人政治家オバマ氏にはまず及ばないだろう。

しかし辣腕というか剛腕の事業家であるトランプ氏には大変な強みがある。

事業の成功のためには手段を選ばないところがあり、いわゆる政治的理念とか理想とは無縁のようだからとにかくやることが早く、かつ徹底している。

世界中の人々の幸せを願って行動すべき世界の指導者にはおよそふさわしくないだろうが、アメリカ一国の利益を上げるためには何でもやるという苛烈さと情熱がある。

他国の人々から尊敬を勝ち取ることは出来ないだろうが、トランプ大統領は貪欲にアメリカの国民の利益を追求するだろうから、しばらくの間はアメリカの国民はそれなりに経済的恩恵を蒙るだろうと思っている。

しかし、傲岸不遜なアメリカ人、世界の人々から嫌われるアメリカ人というイメージが、トランプ氏のこれから4年間の治世の間に世界中に浸透するはずである。

アメリカの知識人層との間の亀裂は拡がる一方だろうから、アメリカはあらゆつ意味で分断国家に変質していく。
これから4年間の間に何が起きるか分からないぞ、と思わせるような政治的、社会的不安を抱えてのトランプ王朝の開幕である。

まあ、アメリカの国民の選択だから、仕方がない。

私たちは私たちで、これから起きるであろう大激動に備えるしかない。
私たちにはトランプ氏の暴走を防ぐ手段はない。

多分、安倍さんにもない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。