安倍首相がドゥテルテ比大統領の地元ダバオを訪問することは、今回の安倍首相のアジア各国訪問でも非常に注目されていた。フィリピン国内でもほかの国でも安倍首相こそ中国との間で迷走するドゥテルテを民主主義陣営につなぎとめるキーパーソンだと非常な期待をされていたからだ。
そこでどうなったか心配してNHKの午後七時のニュースを見ていた。「夜7時 これさえ見れば1日が分かる 今日の日本 世界の今を あなたのもとへ」とNHK自身のホームページにもある看板番組だ。
ところが当日の、主要ニュース扱いは、①「大雪+この冬一番の寒気」、②「生活・交通・入試…注意点は」、③「トランプ大統領まで1週間」、④「龍馬 没後150年の新発見」、⑤「小池知事「費用」をめぐり」だけ。
ようやく、そのあとになって出てきた。
公共放送は、自国の指導者のその日の動きがあれば、きちんと放送するのが普通だ。まして外交案件ならそうだ。だから、NHK・BS放送の各国のニュースを毎朝見ている私は、プーチンや習近平やメルケルの行動は毎日、詳細に把握しているが、安倍首相のそれと同等には知らない。
まったく、NHKは北京電視台東京支局として中国政府の検閲でも受けているのかという印象だ。軍事力で勝負しないからこそ国民一丸となって外交力を発揮しなくてはならないのになんとかならないものか。
一方、このダバオ訪問の政府広報動画が大ヒットして再生回数は18日に124万回を超え、昨年5月のオバマ米大統領の広島訪問(約56万回)を抜いて最多記録を更新した。
政府広報動画の再生回数は10万回を超えれば多い方という中で、100万回突破は平成27年4月に首相官邸フェイスブックへの投稿が始まって以降初めてだそうだ。フィリピンだけでなくアラブ首長国連邦や米国に在住するフィリピン人の視聴が数字を押し上げたそうだ。
首相自身も自身のフェイスブックに「歓迎に私も(妻の)昭恵も本当に感激しました。再生回数120万回を超えていることにも驚いています」と書き込んでえいる。
一方、安倍首相がミサイル供与を打診してドゥテルテ大統領に断られたという誤報は、朝日新聞によると、「ダバオ市商工会議所の総会で行ったスピーチ。英語とタガログ語で、首脳会談をしたばかりの安倍首相の名前を挙げ、「安倍にも言ったんだ、私はミサイルは必要としていないと」と述べた。その後、ロシアのプーチン大統領のハッキング疑惑やトランプ米次期大統領に触れ、「もし第3次世界大戦が始まれば、それはこの世の終わりを意味する」と話した。しかしドゥテルテ氏は、日本からミサイル供与を提案されたとは言っておらず、一連の発言が曲解されて報じられたとみられる」そうだ。
安倍首相にミサイル断る? 比大統領「発言」報道で波紋(朝日新聞1月16日)
ネットでは本当に違いないと喜んだネトサヨが多かったが、朝日新聞にすら否定されて終わった。