石原さんは、小池さんに全面的に協力するのがベスト

早川 忠孝

都庁サイト「知事の部屋」より(2011年6月:編集部)

四の五の言わず、動くべし。

私なら、そう言うところだ。
小池さんに全面的に協力すると見得を切ったことがあるはずだから、過去の経緯はともあれ、ここは一目散に小池さんのところに駆けつけるのはいい。
一人ではさすがに心もとないだろうから、信頼できる弁護士と共に出向くことだ。

あんな厚化粧の年増に頭など下げられるものか、などと言ってはいけない。

今動かないでいると、後で後悔する。

要するに今は、小池さんに全面的に協力するのが石原さんにとってベストだ、ということだ。

東京都が件の住民訴訟についての応訴方針を見直す、と言ったからといって従前の応訴方針をガラッと変えることが決まったわけではない。あくまで、当面は、有利な証拠も不利な証拠もあるものは全部曝け出して裁判所の判断を仰ごう、というだけのことのようだから、真実が明らかになることを恐れることはない。

心配しなければならないことは、大事な事実や証拠がどこかに埋もれ込んでしまい、一部の証拠だけで偏頗な判断がなされてしまうことだ。

行政の長が大事な問題について何らかの決断をするときは、それなりに周到な検討をしているはずで、仮に事後的にその判断が誤っていたことが判明したとしても、大体は決断当時に入手出来た資料や当時の情勢からは止むを得なかった、著しい最良の逸脱はなかった、と判定されるのが普通である。

明らかに裁量の範囲内の行為については、裁判所は都知事に賠償責任を認めるようなことはしないものである。

そんなことを言っても住民訴訟を提起した原告やその代理人は納得しないだろうが、明らかに犯罪に当たる行為とか個人的な利益を図るためにした疑いが濃厚な特殊の事例を除けば、退職後の知事が在任中の重要問題についての決断について賠償責任を負うようなことはまず考えられないところだ。

石原さんが逃げ隠れしなければ、大体は真相が明らかになる。
小池さんが間違った情報、間違った証拠、間違った証言などに基づいて間違った判断をしないで済むように、今こそ石原さんは精力的に動くべきである。今だったら、当時のことをよく覚えている人も多いだろうし、資料もほぼ揃っているはずだ。

大事な資料が散逸し、大事な証人がどんどんいなくなってしまうのが、恐い。

如何にも小池さんの軍門に下るような気がするだろうが、都知事の職を離れた石原さんには自分を守る術は殆どない、ということを知っておかれた方がいい。

石原さんと利害関係を同一にしている皆さんも同じである。

念のため。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。