知財本部委員会@霞が関、知財計画2017に向けた会議が開催されました。
今回も共同座長を務めます。今年で8ラウンド目になります。
冒頭あいさつしました。
コンテンツ分野は前ラウンドで海外展開やアーカイブなど従来からの重要テーマに力を入れるとともに、AI、ビッグデータを含む次世代知財システムに世界に先駆けて取り組んだ。
それを受け、著作権制度の大きな見直し論議がスタートし、AIの知財問題も議論が巻き起こった。
新ラウンドでは新情報財への議論へと踏み込むとともに、映画の検討も始める。気合を入れ直す。
リオの閉会式では、雨の中、安倍首相がマリオになってくださり、コンテンツを重視する政府の姿勢が伝わった。受け止めて参りたい。
事務局より知財計画2016の取組状況を説明。
著作権制度の見直しを次期通常国会に向け進めること、リーチサイト対策やオンライン広告対策の検討を進めること、クールジャパン拠点同士のネットワーク化を進めることなど。内閣府、総務省、経産省、文科省、国交省らが対応。
知財本部委員会、さらに「新たな情報財検討委員会」(ビッグデータ、AIなどの知財問題)、「映画振興施策に関する検討会議」の2会議を置くことを決定、その2つも座長を引き受けることになりました。しばし忙しくなります。
IoTやAIなど第4次産業革命に関する政府の会議は内閣官房、内閣府、経産省、総務省など10個以上あり乱立。
政府としては知財本部とIT本部とに意見集約し、それを次期成長戦略に反映させます。知財本部には大事な舵取りが期待されます。
トヨタ近藤さん:AIは生データ=ビッグデータをどう守るかが重要。ビッグデータへの投資インセンティブが守られる仕組みを作りたい。
ニッポン放送重村さん:カンヌMIP-COMで受けた質問。ポケモンはゲーム→アニメ→マーチャンダイズ→ポケモンGOとなった。ワンピースがスーパー歌舞伎になって世界発信した。ソフトのジャンルの壁が取り払われる。日本はその権利処理にどう取り組むか。–総合的に処理できる仕組みが必要。
瀬尾さん:ITは米に取られたが、AIはまだチャンスがある。この新インフラで大事なのはデータセットと学習済モデル。ナショナルアーカイブにコンテンツを囲ってモデルを作るべし。300年の国より2000年の国にアドバンテージがある。
読売新聞野坂さん:IoT、AIについて政府のさまざまなところで議論がされているが、知財本部が司令塔役を果たすべき。
サンライズ宮河さん:ルフィやマリオは世界で活躍しているが、映画はまだ世界市場に出て行けていない。中国は活躍が目立つ。戦略としてどうするか、議論したい。
さて、また知財の熱い季節の到来。やりましょう。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年1月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。