バルセロナ、今回は科学館。

工事現場に行ってきました。
いつまで続くことやらこの工事。
今後ドローンを使って測量するそうです。
前回は、ここのサイネージを観察したんです。
「前略ガウディ様、サイネージはお好き?」
それから、FCバルセロナのサイネージを。
「前略メッシ様、サイネージはお好き?」
バルセロナのサイネージはこの4年間にずいぶん進化していました。
これはどの都市を訪れても感じることなので、もうスケッチの必要はありますまい。
ただ、このコーヒー+紅茶+スープサイネージ自販機のように、初めて見かけるタイプがあると、うれしくなってシャッターを切ってしまいます。
今回はデジタル特区CiPの参考にと、海辺の施設をいくつか見回りました。
ただ、先方イチ推しの水族館は、世界一とされる日本の館を多数経験すると、さほど刺激はありません。
(これはマグロコーナーの日本文化紹介サイネージ)
その中で刺激を受けたのは、「CosmoCaixa」という科学館です。
Caixaという貯蓄銀行の財団が運営する施設。デザインが秀逸でした。
設立は2005年。
1億ユーロをかけて、3万㎡の敷地をぜいたくに使います。
上下30mのらせん階段を降りて、自然と科学の探検をさせるという趣向です。
物理、化学、数学、地学を探求するハンズオンの科学館。
お台場の科学未来館のようなものですが、これを民間が運営しているのが注目点。
 各国の都市を訪れるたび、科学館や子ども博物館には足を運びます。
 中でも出色はパリのラ・ビレット。20回以上訪れています。
「パリ、ラ・ヴィレットのデジタル科学館」
 NYCの子ども博やサンフランシスコのZOUMもメディア屋にとっては「欲しい」館です。
「ニューヨーク・キッズ出張報告」
 日本では名古屋市科学館がいい。
「名古屋市科学館に行ってきたよ」
CosmoCaixaはそれらに並ぶ値打ちがあります。
デザイン性で。
一企業グループが自らの趣味にあかせて創りきったという統一感です。
そのシックで豊かな空間デザインは、子ども目線の安っぽい素材や色使いとは無縁で、だけど子どもへの愛情がふんだんに注がれた代物です。
相次ぐテロで、バカンス客が南仏からバレンシアに流れる中で、ここは親子が過ごすには格好の空間。
だけどスペイン語とカタルーニャ語しか表示がないんで、読解には一苦労です。
1000㎡のジャングル空間が美しい。
大人のデートコースにもなっています。
感心したのはこの氷柱。
バカでかい氷、というだけで、大掛かりな機械仕掛けよりも、インパクトがある。

 

エンタメのコツを一つ学びました。

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年1月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。