「固定費を削るのは限界がある」と思ったら

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写真は角田氏(HPより)

会社は経営者次第だとよく言われる。しかし、経営者がすべての実務に長けているわけではない。よって各々の特性に応じて適材適所に人員を配置することになる。経営者が日々、心配し悩むことの一つに業績がある。

業績を好転させる方法は3つしかない。1つ目は売上高を増やすこと、2つ目はコストを下げること、3つ目は限界利益率の改善である。限界利益率は「(固定費+利益)÷売上高」だから限界利益率が利益幅を表していることがわかるだろう。

■個人のB/Sを考えていますか

また、B/Sのチェックも怠ってはいけない。私は、最初に内部留保をチェックするようにしている。内部留保が多い会社は「比較的金儲けが上手い会社」と判断できるからだ。また、営業残や売掛なども会社のクセが出やすいポイントになる。

「節約ゼロ」で毎月3万円貯まる! 貯金ドリル』(総合法令出版)は、投資家、ビジネス書作家として活動をしている、角田和将(以下、角田氏)の近著になる。

実績としては、10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、「速読日本一が教える1日10分速読トレーニング(日本能率協会マネジメントセンター)」などがある。

企業の財務担当者にとってB/Sは重要な指標である。資金が必要な場合は、銀行に掛け合うことも重要な作業になる。返済に困ったらリスケ(reschedule)による債務返済を繰り延べる作業をしなければいけない。

ところが、個人のB/Sは日常的に考えることは少ない。個人であれば、積み上げた利益の蓄積を分解することで算出することができる。固定費を減らして、ムダを無くすことで蓄財をしている人もいれば、高給を取りながらも利益が残らない人もいる。本書は、個人のB/Sを考えるうえで重要なヒントが示唆されている。

まず、角田氏は「固定費を削るのは限界がある」と主張する。

「お金を貯めるために一生懸命固定費を削ろうとする人がいます。それはそれで大切なことですが、支出を減らすという部分については、最終的に必ずどこかで限界が出てきます。借家に住んでいる人が家賃をゼロにすることは難しいですし、ガスや電気代は、どんなに削っても、基本料金が発生します。」(角田氏)

「ムダを省き効率化を図ることは大切です。しかし、あまりやりすぎると、“ただセコいだけの人”になりかねないので、無理のない範囲から取り組むようにしましょう。」(同)

■給与以外の収入源を作る

思い当たるふしはないだろうか。企業の財務担当者はすぐに「コスト削減」を打ち出すが、削減には限界が生じやすい。さらに、削減するという意識は社員の行動を抑制する。私たちの生活も「コストを削減する」ばかりでは疲弊してしまう。そのため、同時に、「収入を増やす」という部分にも意識を向けなければいけない。

給与だけが現金が入ってくる道筋ではない。例えば、自分が持っているもので、使っていないものをお金に変えていくことも一考である。支出を減らすだけでなく、収入をアップさせ、お金の情報に強くなりたいと思う人には参考になることだろう。

尾藤克之
コラムニスト

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