月に2回出勤で年収1000万円もらえるお仕事をどうみるか問題

常見 陽平

正直に打ち明けよう。

繁華街で流れている「バニラ求人」の曲が、頭にこびりついて離れないのだ・・・。

「バニラ、バニラ、バニラ求人 バニラ、バニラで高収入」というあれだ。最近はEDMバージョンまででたらしい。興味のある人はYouTubeで探して見て欲しい。

まあ、正直、どういう求人が載っているサイトなのよというのはあるが・・・。人前では口ずさまないものの・・・。もう5年以上、家では風呂に入る時や、家事をする時に、あの曲を歌っている。もはやマインドコントロール状態である。

このことを、友人に思い切って打ち明けてみた。すると、「実は、子供が覚えてきて、口ずさんでいる」という話を向こうも打ち明け。さらに言うならば、この曲と出会って、口ずさむようになってから、収入も上がるようになった。暗示とは怖いものだ。特に「高収入」という歌詞に対して妙な高揚感が・・・。

いや、私のポリシーとしては、「お金は中くらいに好き」というものがあり。「好きなことができたら収入は低くてもいい」なんてことは思わず、一方で「お金のためなら何でもする」わけではない。このスタンスを大事にしている。

そんな私でも「高収入」という言葉に心がおどってしまったのもまた事実だ。「世の中、金じゃない」ということをかっこつけて言う人がいるということは、逆に言うならば「世の中、金だよね」と思っている人が一定数いることを物語っている。

さて、その「高収入」の話だ。文部官僚の天下り問題が話題となっている。なんでも「月2回出勤で、年収1000万円」なる仕事もあったそうで、国会ではため息が出たそうだ。

うーん、悩ましい。いや、天下り問題をいったんおいておくと、月2回出勤で年収1000万円って、これぞ柔軟な働き方であり、高付加価値な仕事なのではないか、と。

もっとも、どんな価値を提供しているのかに、興味があり。世の中には、もらえる金額が高い仕事というものがある。コンサルなどはそうだ。論者たちの講演料でもたまに、50~100万円というものもあるようで(私はそこまでもらったことがない)。雇用か請負かなど、もろもろ違いがあるが。労働時間と、金額を切り離した究極の世界だとも言える。もっとも、そこで提供している価値が、結局、人脈かよというのだったら引くけれど。あと、国家を支える仕事をしている人が、公僕だからとか言われて不当に低いのもどうかと思うのだが。

というわけで、何かとワサワサしてしまう月2回出勤で年収1000万円という「高収入」な仕事って、実は働き方に関する議論を誘発するものじゃないかと思ったりして。

・・・私は嫌だな。

まあ、これから、一人が何日、何時間働いて、いくら貰えば社会と会社と家庭が回るのかというのを真剣に議論したいところだ。そういう議論をするべきなのに、諸々、議論のすり替え、飛躍が起こった働き方改革ってね・・・。はぁ。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年2月8日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた常見氏に心より感謝申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。