韓国大統領がトランプ別荘に泊まったらどっちかが汚職に

八幡 和郎

※写真ACより(編集部)

韓国の新聞に面白い記事が載っていた。なぜなら、金を払わなかったら韓国の大統領が、金を払ったらトランプが汚職になるというのだ。

韓経:【コラム】トランプ氏が韓国大統領を招待すれば | Joongang Ilbo | 中央日報

韓国ではのために、大統領も選出職公務員なので請託禁止法〔金英蘭(キム・ヨンラン)法〕の対象であり、属人主義により海外でも法は適用される。費用を負担するトランプ大統領は職務関連性のある人であるので、ゴルフ費用も同様である。

国会で請託禁止法を制定する時に、外交に関連して免責条項を作らなければならないという主張もあったが、結局、そのような条項は作られなかったのである。

一方、安倍首相の訪米のとき話題となったように、外国の政治家がトランプ大統領の個人別荘に泊まって宿泊費を払ったら、大統領が外国から金銭を受け取ることを禁じた米国憲法規定に基づいてアウト、米国政府が金を出せば、その税金がマー・ア・ラゴの所有主であるトランプ氏に入るのでこれもダメ。

そうしたことでトランプ氏は安倍首相の宿泊費を本人が出したのだが、韓国大統領は払わねばアウトだ。

こういうのは、昔から国によって扱いが違う。フランスでは食事は基本的にはOKだった。贈答品には厳しいが、食事を豪華レストランでしても問題にならなかった。だからパリでは、ひたすら食事をして意見交換、情報収集をするのが仕事だった。

アメリカでは数千円以上の食事はアウトだったので、ワシントンのレストランにはレディーズ・メニューのようなかたちでオフィサーズ・メニューがあった。

しかし、食事とか飲酒というのは、人間関係を円滑にするというのが効用でありう存在価値だ。その効用を根本的に否定するのは実に馬鹿げている。

八幡和郎
イースト・プレス
2015-04-10
八幡 和郎
PHP研究所
2016-10-05