なぜ、投資は日経平均よりNYダウ平均に注目した方が良いのか

東猴 史紘

日経平均株価とは東京証券取引所第一部に上場している企業の中から選ばれた優良企業225社の平均株価です。別名、日経225やNikkei225とも呼ばれます。

現在、ニュースではアベノミクスによる日本経済の回復により日経平均が20,000円の大台を突破するか、と注目されています。2017年2月19日現在、19,200円台です。

一方、ニュースでは日経平均株価と同時にNYダウ平均も報道されると思います。NYダウ平均とは、米国のNY証券取引所に上場する企業の中から選ばれた優良企業30社の平均株価です。

30社にはウォルトディズニーやジョンソン・アンド・ジョンソン、コカ・コーラなど誰でも知っている企業が選ばれています。NYダウは2017年に20,000ドルを突破して連日最高値を更新していることが報道されました。

ここまで読んで、皆さんは日経平均株価とNYダウ平均のどちらに投資しようと思いますか?

大半の方は日経平均株価もNYダウ平均でもどっちでも良さそうと思われたのではないでしょうか。

日経平均株価も間もなく20,000円台だし、NYダウも20,000ドルを突破して以来、連日最高値を更新しているんだから自分の好きな方を選べばいいんじゃないかと思われたのではないでしょうか。

では次の2つのチャートを見てからだとどうでしょうか。

(1)NYダウ平均 月足チャート

(2)日経平均株価 月足チャート

以上の2つのチャートを見て、改めて考えてください。

日経平均株価とNYダウどちらに投資しますか?ちなみに2008年にガクンと下落していますが、これはリーマンショックの時期です。リーマンブラザーズ証券の破綻から始まった世界的な金融不況が訪れた年でした。米国も日本も大きな打撃を受けました。

注目すべき点はその2008年のリーマンショック以降のNYダウと日経平均株価の回復具合です。

日経平均はリーマンショック前は18000円台でしたが、危機が起こった後は大きく下落し数年間、8000円から9000円台を余儀なくされました。そして2012年から就任した安倍首相のアベノミクス効果でやっと19,000円台まで回復しました。

しかし、よくよくチャートを見るとリーマンショック前には18,000台だった訳ですから、今の19,000円台という水準は約10年前の水準を上回ったに過ぎません。

一方、NYダウはどうでしょうか。確かにリーマンショックで14000ドル台から一気に7000ドル台まで下落しました。

しかしその後の回復力は日経平均株価の比ではなく、僅か5年程度でリーマンショック前の14,000ドルの水準に戻し、今では20,000ドルを突破し、2月17日までに20,600ドル台に乗せました。21,000ドル台も時間の問題です。

では最後にもう2つのチャートをお見せします。これは戦後からのチャートです。

(3)日経平均株価の推移 1980年~2017年 ✳世界経済のネタ帳より
(4)NYダウの推移(1980~2017年) ✳世界経済のネタ帳より

チャート(3)で過去約30年間の日経株価平均を見て何に気がつきますか。実は我が国は1989年に40000円近い日経平均株価を叩き出していたのです。バブルと言われた時期です。

つまり、現在の日経平均株価は約30年前の約半分程度の水準出しかない訳ですね。長期的に見れば日本は確実に衰退しているのです。

一方、NYダウはどうでしょうか?これは線を引くまでもなく、30年間上がり続けているのです。

もちろん、何回か危機が起こって下落はしますが、必ず回復して、それ以上の水準まで上昇しています。つまり、米国は確実に成長を続けているのです。トランプ政権になり、今後の政権運営に不安もあります。

2017年はリーマンショックから丁度10年なので何かしらの危機が今後予測されます。もちろん、下落もするでしょうがその後、力強く回復していくことでしょう。それが米国なのです。

・・・これで週明けからNYダウが大きく下落たらすみません。本記事は投資を推奨するものではありません。あくまで持論を述べさせて頂いた次第です。