覚えておきたい!最近話題のビジネス心理学ってなに?

尾藤 克之

写真は参考書籍書影

ビジネス心理学をご存知だろうか。よく知られているものに、アサーティブ、フレーミング、バーナム効果、コールドリーディングなどがある。相手の妥協を引きずり出す「ちゃぶ台返し」なども該当する。

神岡真司(以下、神岡氏)はビジネス心理学の専門家である。ビジネス心理学に関する著書も多く、30万部ベストセラー『ヤバい心理学』がある。今回は近著『効きすぎて中毒になる最強の心理学』(すばる舎)を紹介したい。

相手に自分をアピールする方法

――彼氏がいるのが、わかっている女性に、「きみが好きなんだ。つき合ってほしい」と説得しても、「つき合っている人がいるので」と断られるのは目にみえている。神岡氏によれば、最初に「大義名分」をつくることが秘訣のようだ。

「一旦、嫌われてしまうと次のステップに進むタイミングを逸します。このような時にはさりげなく接近して『男友達』を演出したほうが得策でしょう。社内に意中の彼女がいるなら情報をリサーチすることです。出身地、学歴、経歴、趣味などチェックしておきましょう。」(神岡氏)

「こうして女性のプロフィールがつかめたら、自分と女性との間に共通するものをできるだけ多く揃えておきます。」(同)

――実はこの考え方は非常に正しい。人は相手との共通項が多いほど親近感を感じる傾向がある。初対面のときに、出身地、出身校、星座、血液型などの共通項を見出した経験は誰にでもあるだろう。

「偶然を装って駅のホームでの出会いを演出し、挨拶を交わし、雑談で共通項をさり気なく持ち出して親しみを感じてもらい、自分という存在を認識してもらえばよいのです。あるいは、職場で簡単に応じてもらえそうな質問をしたり、相談をする、ちょっとした小物を借りるなどのアプローチをするのでもよいでしょう。」(神岡氏)

「人は親切にした人に自分から好意を感じてしまう心理作用があるからです。自分が親切にしたのは、相手がよい人だからと思うからこそ認知が重要なのです。このような単純接触を繰り返すことで打ち解けてくることでしょう。」(同)

――親しくなったら、自分にも彼女がいることを、意中の女性にも伝える。女性は警戒心を感じなくなるだろう。相談に乗ってもらう関係性が構築されたのである。

相手をより理解している人物を演じる

――信頼関係が構築されている以上、「恋人相談のできる男友達」というのは、「メル友」「飲み友」「メシを友」よりも、はるか上位に位置するようになる。

「男性は、女性を見る時、瞬時のうちに、女性の、体型→顔→服装→持ち物の順番で認識するとされています。女性は、男性を見る時、同様に、服装→持ち物→体型→顔の順番で認識するとされています。女性は、男性の服装や持ち物から、自分を守り養ってくれる男性の能力や資質を測っていることがうかがえるのです。」(神岡氏)

「女性から見た男性の価値は、顔よりも能力ということなのです。『恋人相談のできる男友達』という位置づけは、女性に自分を意思させる絶好の立場になります。」(同)

――なお、本書に取上げられたケースはリアリティがあることから日頃のビジネスにも転用可能だ。楽しみながらビジネス心理学を理解できることだろう。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からおしらせ>

3月7日セミナー申込みはこちら

アゴラ出版道場、第2回は今春予定です。それに先立ち導入編となる初級講座が毎月開催中。次回は3月7日(火)の予定です(講座内容はこちら)。ビジネス書作家の石川和男さんをゲストにお招きして“先輩著者”の体験談もお聞きできます(お申し込みはこちら)。

初級講座は、毎月1度のペースで開催しています。1月31日開催の「第4回アゴラ著者入門セミナー」の様子はこちら。