昨日はタイのシラチャに開発中のサービスアパートメントへの投資に関するセミナーでした。参加された20名の方のうち、半数以上の方がお申し込みをするという人気でした。
サービスアパートメントというのは、ホテルとコンドミニアムの中間にあるような居住スペースです。今回の物件の場合、家賃に毎日の朝食料金が含まれていて、ジム、レストラン、大浴場があるクラブハウス棟も利用できます。
問題は家賃の設定です。開発・販売を行うステイジアキャピタルが作成した資料を見ると、35平米の単身者向けの物件で月額家賃が約14万円と東京の都心並みのレベルが想定されています(写真)。果たしてこの家賃でテナントが集まるのでしょうか。
シラチャというエリアは工業団地が集積しており、入居者の多くは工場で働く日本人駐在員になると想定されます。会社からの家賃補給金で入居する場合、その上限で一番良い物件を選ぶことになるはずです。今回の家賃設定はステイジアキャピタルが各社にヒアリングして、大手企業が家賃補給金として設定している範囲になっているとされています。
また、他のレジデンスと比較すると、食事が提供されるサービスアパートメントが現状ほとんど存在しないことも差別化のポイントになります。工業団地と自宅の往復で生活する海外駐在員にとっての楽しみは食事とお風呂。そして週末のゴルフです。朝食、夕食(有料)が提供され、大浴場も設置されるインフラは駐在員にとってはとても魅力があると思います。
現時点のシラチャの日本人駐在員の数とサービスアパートメント、コンドミニアムの数とクオリティを考えれば、競争力のある物件と言えますが、競争環境は時間と共に変化していきます。
為替を含めたタイという国自体のリスク、家賃の相場が変動するリスク、テナントが思った通りに集まらず、賃料が下落するリスクなど、国内の不動産に比べると不確定要素は多いと思います。高い期待リターンだけに目を取られるのではなく、リスクもしっかり認識しておきましょう。
ハイリスク・ハイリターンの投資ということになりますから、万人にお薦めできる投資対象ではありません。他の投資対象と同じように、投資の最終責任を自分で取ることができる方以外は投資すべきではありません。
残戸が残っているかわかりませんが、3月18日の第5回世界の資産運用フェアでもシラチャのブースが出展される予定です。
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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年2月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。