ハリウッドスターやメディアがトランプ大統領の批判を強めています。しかし、私の目には大統領は、米国民が潜在的に感じていた不満を見事に汲み取り、彼らの不満を解決するには自分は何をしなければいけないのかを認識しており、その上で「強い米国」という方向性と「税負担軽減」「積極財政」という政策を打ち出して、その実現に向けて邁進しようとしている大統領、と映っています。
税負担軽減と積極財政については日本時間の3月1日午前11時から大統領は米議会で演説をしてその方向性を改めて説明しています。以下、朝日新聞より大統領演説全文の一部抜粋です。
「これらの国内外での目標を達成するには、米国経済のエンジンを再起動しなければなりません。米国でビジネスをしやすくし、米国からもっと、もっと企業が離れがたくなるようにするのです。
いま、米国企業は世界でもっとも高い水準の税金を負担させられています。私の経済チームは、企業への税率を減らし、どこでもだれとでも競争でき、繁栄できるための歴史的な税制改革に取り組んでいます。それは大きな、大きな(税率)カットです。同時に、中間層に対しても大型の減税をします。私たちは、米国の企業と働き手が、公平な条件で戦える場を整えなければなりません。それをやらなければならないのです。
現在、私たちが米国製品を輸出すると、ほかの多くの国々はとても高い関税や税金を私たちにかけてきます。それなのに、外国企業が彼らの製品を米国に出荷するとき、私たちはほとんどなんの負担も課していません。
(省略)
米国はおよそ6兆ドルも中東に使い、その間に米国のインフラはぼろぼろになりました。この6兆ドルがあれば、私たちの国を2度、造り直すことができたでしょう。交渉にたけた人がいたら、3回でも造り直せたかもしれません。
国家再建を始めるために、私は議会に、米国のインフラに官民の資金で1兆ドルの投資を生み、数百万の新規雇用を創出する法案を承認するようお願いします。」
この演説後、ドル円相場は113円台から114円台に上昇しました。NYダウも今では21000ドルを突破しています。確かに具体的な中身はまだ示されていませんが、方向性さえ決まれば後は、議会を通すために細部を詰めていくだけ(もちろん、難しい作業なのでしょうが)なので泡沫候補扱いされていたのに、大統領に上り詰めた力量で、実現させていくのではないでしょうか。
投資対象としてはドル円(外国為替)よりも米国株やNYダウ平均でしょう。もちろん、米国株やNYダウ平均は何かしらの金融ショック(リーマンショックみたいな)で落ち込むことも将来有り得るでしょうが、私が書いた記事「なぜ、日経平均よりNYダウ平均に注目した方がいいのか」を読んで頂ければわかるように、落ち込んでもすぐ復活していて、再度上昇を目指していくのが米国です。
それに比べてドル円は、複雑です。たとえば先日、イエレンFRB議長と副議長が3月の利上げはほぼ確実である発言をしました。(雇用をめぐる指標とインフレが力強さを維持すればですが。)
一般の感覚で言うと、その後、ドル円はどんどん上昇しそうなものですが、逆に下落していきました。専門家は「今までの相場は利上げを織り込んだものなので、利益確定をさせる売りが出たので下落した」と説明してますが、予測しずらい面があるのは確かでしょう。
NYダウはトランプ政権への期待から12連騰を含めて、最高値を更新し続け、21000ドルの大台を超えました。私は2017年、NYダウは22000ドルを突破していると予測します。
一方、ドル円は・・・案外、今の113円付近をウロウロしている気がします。トランプ時代の米国投資は、ドル円ではなく、株式が解ではないでしょうか。
東猴 史紘
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