2020年、ポップ&テック

2016年11月26日(土)、慶應義塾大学三田キャンパスで、「KMDフォーラム」を開催しました。大学院・慶應メディアデザイン(KMD)のフェス。ぼくが今年の当番教員でした。
テーマは「2020年、ポップ&テック」。ポップ、テクノロジー、教育、ビジネス、スポーツ、デザインなどの最先端の人物を招きつつ、2020を問いました。
大学の「プラットフォーム力」をデザインしてみたかった。デザイン、テクノロジー、マネジメント、ポリシーの4本柱と、産官学連携のリアルプロジェクトというKMDの哲学を活かし、いろんな人が参加して、みんなで創る日常をイベントとして体現してみました。
 
お越しいただいた主なかたがた:
ライゾマティクス斎藤精一社長、シン・ゴジラ樋口真嗣特技監督、XJAPAN SUGIZOさん、ホリプロ堀社長、吉田沙保里さん、遠藤利明前オリンピック大臣、伊藤達也元金融大臣、福田峰之衆議院議員、吉本興業木本公敏さん、サニーサイドアップ次原悦子社長、
C Channel森川亮社長、夏野剛さん、水口哲也さん、谷田光晴さん、筑波大学落合陽一さん、政策大学院大学牧兼充さん、東京大学稲見昌彦さん、一橋大学石倉洋子さん、板尾創路さん、おかずクラブ、トータルテンボス、はんにゃ、タケト、大西ライオン、イシバシハザマ、もう中学生、デッカちゃん、
内閣官房、内閣府、総務省、経産省、文科省代表。マンガ家、起業家、子どもたち、学者、学生、ドローンパイロット、力士、着ぐるみ軍団、女子着物集団など。
もちろん稲蔭正彦、古川享、石戸奈々子らKMD教員も。
 
この、大臣からデッカちゃんまでというラインナップこそが、KMDという大学院の示せる価値でしょう。みなさんどうもありがとう。
 
西校舎での特別企画「2020 ぼくらの開会式」では、リオ五輪の閉会式を担当したプロデューサなどメディア・アート分野を代表する5名が「デジタルテクノロジーが描く2020年未来の表現」と題し、開会式の提案を披露しました。
宇宙空間を使う壮大なプランが相次ぎました。総務省山田真貴子官房長はじめ、フロアからも各提案に対し的確なコメントが寄せられました。全てのプランを同時に実現すればいい、とぼくは考えました。
同ステージで、お笑い芸人、女性社長、ギタリスト、国会議員らが登壇し、産業や文化について議論しました。異色対談ということで化学反応を狙ったのですが、意外なる案の定、話は建設的に弾みました。
リオ五輪の閉会式、「マリオの服脱ぐの早すぎ!」と安倍首相にダメ出しする板尾創路さんの横で、サニーサイドアップ次原社長は「五輪でみんなが健康になることをレガシーにすべき」とし、「開会式なんかやめればいい」と提案。
そうか、やめてもいいのかも。宇宙プランか、やめるか。客席に並ぶ五輪関係者たちを前に、極端な提案がぶつけられるのも、このイベントの価値であったのでしょう。
西校舎「ワークショップコレクションミニ」では、よしもと芸人7組も参加して、子ども向けワークショップを実施。芸人の鋭い渾身のボケに対し、よい子がスルーで返すというツッコミを見せていました。
南校舎では、ARを用いた超人スポーツ「HADO」でレスリングの吉田沙保里選手らが対戦会を披露しました。「誰もが技術を身体に装着すれば、子どもでも吉田沙保里に勝てる。」昨年、超人スポーツ協会を設立した時からぼくが使っているキャッチフレーズです。
このステージ上で、6歳の男の子が吉田さんと対戦し、見事勝利を収め、キャッチを実現してくれました。ありがとう。
同時に、教育情報化に関するシンポジウム、起業家の卵たちのビジネスコンテスト、スペインIE Business Schoolとの協力による起業イベント、スタンフォード大学と共催の「IT政策研究会」なども開催されました。
 
会場には21台のデジタルサイネージを設置し、放送波を使った通信サービス実験を行ったほか、世界の国々をイメージした着物 数十着のおねえさまがたがお越しになり、百体の着ぐるみ軍団がそれに対抗しました。規制をクリアして場内でドローンを飛ばし、鉄道模型も展示し、とにかくあれこれやりました。
このイベントを企画し、ブッキングし、調整し、実行したのは、学生たちです。ステージにも学生たちが立ちました。留学生たちは開会式の提案ビデオを披露し、東京まりん氏は東京の夜のマラソンコースを提案。ビジネスコンテストに挑んだKMD学生チームは審査員の夏野さんらにボコられてくれました。
スポンサーはTBS、CANVAS、シミズオクト、Dlife、CiP協議会, デジタル教科書教材協議会、融合研究所、デジタルサイネージコンソーシアム、ニューフォリア、ぷれこす、SHARP、クラウドポイント、NTT IT、 三菱電機、KATO、東京コンテンツプロデューサーズ・ラボ。
協力はNECディスプレイソリューションズ、TV番組「しまじろうのわお!」、ソニーマーケティング株式会社、超人スポーツ協会、よしもとクリエイティブ・エージェンシー。

お世話になりました。


レポートをここにまとめておきます。

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年3月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。