Apple Store店員を、スゴイと思うべきか可哀想と思うべきか

常見 陽平

やってしまった。MacBook Proの画面の汚れを、ノートPCの液晶用ウェットティッシュでふいていたら、ベゼル部分(画面の周りの黒い部分)に傷をつけてしまった。ありゃ。いや、汚れがとれないと思い、ついつい強くふいてしまったのだ。

色々検索してみると、傷がつきやすいようで。で、もともと傷がつきやすい構造になっているがゆえに、お店で相談すると無料で交換してくれるという説もあり。Apple Storeのジーニアスバーを予約し、持ち込み。

実に久々にApple Storeに行ったのだけど、店員さんの鬼モチベーションというか、感じのよさというか。さらには豊富な知識に驚いてしまう。今回も実に丁寧な対応だった。しかも、受付から決済から、アップル製品をここまでかという感じで使いこなしており、ワクワクする。

個人的に勉強になったのは、iPadの使い方だ。2012年の春からiPadを使っているのだが・・・。そうか、キーボードの入力、普通のブラインドタッチみたいにしない方が速いんだ。担当スタッフは指2本で入力するという技で、普通のキーボードと変わらない速さで正確に入力していった。しかも右手の方は小指を使って入力するという技だった。・・・試してみよう。

例のベゼルの傷の修理、前から気になっていたHDMIがたまに調子が悪いという現象を見てもらうことに。AppleCareに入っていたので無料(例のベゼルの件、私の例の場合、あくまでAppleCareのカバー範囲という理由で無料だった)。しかも、自宅に送ってくれるそうで。よかったよかった。

実に気持ちいい接客だったし、アップル製品使っていてよかったなんて思ったりもしたが、一方で、ああ、この仕事、大変だろうなあって。まあ、この場合、修理の対応ではあるが。ここまで丁寧に、ハイテンションでやるのかと、一瞬、心配になってしまった。サービス過剰じゃないか、と。売っているものがアップル製品ではあるが、人をこき使う、モチベーションがやたら高い居酒屋と同じ光景にも見えてしまった。まあ、製品とあいまって、かっこいい、クールだ、買ってよかったという話になるのだが。そして、今年、買い替えを考えているMacの下見までしてしまったのだが。

意地悪な見方かもしれないが、気持ちいいサービスの向こうにある苦労なんかを考えると泣けてしまう。まあ、高いもの売っているのだから、これくらい当然という話になるのだろうが。

サービスの水準をどうするか、どこまで期待するか。これは大事な議論だな。ブラック企業とモンスター消費者の連鎖をなんとかしないといけない。うん。


新作でもそんな話を一部ふれていたりする。サービスレベルをどうするか問題。よろしく。

3月28日(火)の院内集会も〆切が近い感じ。

よろしくね。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年3月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。