「アンチなファン」も大切にしなければならない

内藤 忍

図解版(コンビニのみ取扱い)の増刷が決まり、「初めての人のための資産運用ガイド」の累計部数は17万部となりました。夏の終わりには20万部に到達しそうな勢いです。

このように書籍が売れたり、ネット上での露出が増えれば増えるほど、同時に増えるのが批判的なコメントや誤解や曲解に基づくネガティブな意見です。アマゾンのレビューを見れば、販売部数が多い著書ほどネガティブなレビューが増え、評価が分かれていくのがわかります。

私の専門は資産運用で、自分自身でも20代から積極的に投資を行っています。40代後半になって、不安定な金融市場だけに資産を委ねるよりも、毎月の定期的な収入が得られる不動産投資にも投資対象を広げることが重要と考えるようになりました。

マネックス証券でインデックスファンドを使った長期分散積立投資は今も続けていますが、資産に占める比率は徐々に下げていきました。今では、自分自身で国内外の10物件以上の不動産に投資をして、世界中からチャリンチャリンと収入が入るようになりました。そのインカム収入のお蔭で、好きな仕事を好きな時間にやることができる安心と自由を手に入れることができました。

本人は大変満足しているのですが、周囲には西洋医学の医者が漢方で健康になると言い出したかのような印象を与えたようです。かつての「分散王子」が「金持ち父さん」に「変節」したのが、気に入らない人たちが「アンチなファン」になっています。そもそも、もう王子の歳でもありませんが・・・(笑)。

私の周りにいるアンチなファンの典型はこんな人たちです。

まず、ブログやコメント欄でも匿名で、顔出しはしません。壁に隠れて石を投げるような、ピンポンダッシュスタイルです。そんな「ファン」にリアルなセミナー会場などで偶然会ったりすることもありましたが、ネット上での過激な発言が信じられないようなおとなしい方でした。

そして、批判はするけれども代案はありません。居酒屋で上司を批判するサラリーマンのように文句を言うだけ。うまくいったら黙っていて、失敗した時だけ鬼の首を取ったように騒ぎ立てる。リスクとリターンの関係を知っているのに、なんとも子供じみた反応です。

私よりもっとたくさんのアンチなファンから愛されている有名なビジネス書作家もいますが、そんなアンチなファンを大切にしなければならないと言っています。

なぜなら、好きの反対は嫌いではなく無関心。つまり、彼らがいなくなったら、世間からスルーされて忘れられた存在ということを意味するからです。

だからアンチなファンは自分の存在価値を知るための「炭鉱のカナリア」のような無くてはならない存在なのです。

という訳で、ブログを毎日丹念に読んでいただいているアンチなファンの皆さま、これからもよろしくお付き合いください

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年3月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。