【映画評】ひるなかの流星

渡 まち子

田舎育ちの女子高生・与謝野すずめは、両親の海外赴任を機に東京の叔父のもとに預けられることになる。転校先の高校の担任教師・獅子尾は、上京初日に困っていたすずめを救ってくれたのをきっかけに、いつもすずめを助けてくれる存在で、すずめは彼に生まれて初めての恋心を抱く。獅子尾はすずめのまっすぐな気持ちを受け止めつつも、教師という立場から踏み出せずにいた。一方、クラスメイトで隣の席に座る馬村大輝は、女嫌いだったはずが、すずめのわけ隔てない性格と明るさに惹かれ、彼女が獅子尾に恋していることを承知で、惹かれていく…。

東京の高校に転校した田舎育ちの女子高生が、担任教師と同級生の間で揺れ動く姿を描く青春ラブストーリー「ひるなかの流星」。原作は、やまもり三香の大ヒットコミックで、初恋のバイブルと呼ばれている人気漫画だそうだ。天然でピュア、前向きなヒロイン・すずめは、恋愛初心者。優しく大人の担任教師への初恋、不愛想だがまっすぐな同級生の間で、揺れ動き、最終的にすずめはどっちを選ぶのか?!というのが大筋だ。「俺物語!!」でフレッシュな演技をみせた永野芽郁は、人気急上昇の若手女優で、これから小悪魔系の悪役(?)を含めて様々な役柄を披露してくれる注目株。本作では、自分の思いに正直に、恋を受け止めて、成長する少女を演じている。ちょっと意地悪な美少女とはケンカを経て親友になるが、それもすずめの天真爛漫さがなせるわざだ。

モテ期のヒロインの三角関係ラブロマンスは、10代の女の子には夢のような展開で、妄想満足度はかなり高そう。とってつけたような不幸やシリアスに邪魔をするライバルなどは登場せず、難病や記憶喪失もなし。少々めんどくさい性格だが、マイペースなヒロインの明るい恋物語は、素朴だが好感が持てた。
【50点】
(原題「ひるなかの流星」)
(日本/新城毅彦監督/永野芽郁、三浦翔平、白濱亜嵐、他)
(モテ期度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年3月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。