超人気店が「一見さんお断り」にしている理由

赤坂にある紹介制の和食店に行きました。ホテルオークラの裏の小道にひっそりと佇む趣のある店構え。東京とは思えない静けさです。

グルメサイトの食べログで調べてみると、評点は4.84で、他の名店を圧倒して和食では全国1位です。ミシュランは掲載を断っていると聞きました。予約の電話番号は記載されていますが、完全紹介制・完全予約制と書かれています。

お客様は私のように紹介で連れられて来て、次の予約を取るシステムになっているのです。いかにも、高飛車な高級店ように思うかもしれませんが、お店の方は皆さん腰が低く、おごり高ぶったところは全くありません。

紹介制にしているのには、威張っているからではなく、理由があるのです。

まず、お店の雰囲気です。大きなお店ではなく、カウンターでは知らないお客様と隣同士になることもあります。お客様同士のコミニケーションが、とても重要です。マナーをわきまえない人や、他のお客様に迷惑をかける方に来られても困るのです。また、電話の予約だけだと、直前にドタキャンをしたり、人数を変更したりする人がどうしても増えてしまい、お店のオペレーションが混乱します。

予約のお客様にきちんと来ていただくことで、原価率の高い素材を惜しみなく使って、最高の料理が提供できるのです。カニ、キャビア(写真)だけでなく、アワビ、ウニ、いくら、もろこ、筍といった食材が次々出てきます。決して安くはありませんが、クオリティの高さに最後まで圧倒されます。

紹介制のもう一つの理由は、誰でも予約できるようになると、予約が殺到してしまい常連さんが来られなくなってしまうからだと思います。

お店に来た方のほとんどは、次回の予約をして帰ります。私も予約をお願いしましたが、1番早くて11月と言われました。10月までは、ほとんど席がないと言うこと。もし、ここに一般の人まで電話で予約してくると、予約は1年、2年先ということになってしまいます。常連の方が、季節が変わる度に、年に数回来ることができる。そんなお店を目指しているのではないかと思いました。

お店とお客様の信頼関係がしっかりと結ばれ、それが紹介によって広げられていく。それによって理想的な空間が作られていく。お客の方が気を遣い、お店の人が威張っているようなドS系の三ツ星レストランが多い中、高い評価に奢ることなく誠実に料理に向き合う姿勢。ファンが多いのもうなづけます。

緩い糖質制限をしていますが、この日の夜は自分へのご褒美で無礼講。食事の最後に、いくらをたっぷりかけた白米も頂きました。また、半年後に無礼講に来たいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。