Amazonといかに付き合うか



おかげ様で最新作『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)はよく売れているようで。

先日の東洋経済オンライン砲もあり、Amazonの在庫が「通常2~4週間以内に発送します。」になっていた。・・・このブログを書いている途中に在庫、復活したのだけど。

紀伊國屋書店新宿本店をはじめ、いくつかのお店では大プッシュされているようで。期待されているっていうことだし、出版社の営業の方も頑張ってくれているということだろう。

中学校時代の札幌の友人から「読んだよ」という連絡があったり。書籍が出るとこういうつながりができるのが嬉しい。

もっとも、まだ発売されて2週間くらいなわけで。もろもろ、この時期に判断するのは早すぎる。「売れる本とは、売れている本である」という法則があり。つまり、売れているものは皆が安心して買う。書籍は本格的に売れない時代になっており。



今朝の朝日新聞では売れている本として池上彰・佐藤優のこの本が紹介されており。うん、立ち読みしたし、関連した『週刊東洋経済』も読んだけど、よく出来ている本だとは思う。しかし、なんせ、二人とも売れっ子さんであり。2016年12月刊行で2刷12万部って、「売れている」のもそうだけど「売りにいっている」本だなと思ったり。

いや、もちろん「読んでもらいたい」という意味で「売れたい」けれども、もはや大ヒットするのは一部の人だし、昔とは桁が違うので。それよりも、いかに引用されるか、論争を誘発するか(炎上狙いとかっていうレベルではないからな)、議論の流れを変えるかということの方が大事だと私はかんがえている。

おかげ様で、この本を出してから「話を聞きたい」と様々な分野の方から声をかけて頂いており。先日もIT企業の方と意見交換をしたのだが、私の本で指摘している「働き方改革」の「茶番」について大変に共感して頂き。「従業員にイキイキと働いて欲しい」ではなく、「叩かれるのが怖い」という衝動から始まっており。結果として、従業員をいかに管理するかという方向になり。かえって働きにくくなる。「それでも労働時間が減ったからいいのではないか」という声もあるだろう。ただ、その批判は、結局、パフォーマンスが上がることなんてどうでもいいんだということを証明している。仕事の規制が増え、かえって労働強化になることにも無頓着だ。

こんなふうに現場レベルで共感の声が起こっているのが嬉しい。

で、Amazon問題だ。重要なチャネルであることは間違いない。時間、場所にとらわれずに買い物できるのは便利なのだけど、すぐに在庫がなくなり、それで機会損失をしたり。なんというか、買い手も売り手もAmazonに支配されている感が半端ない。

明日は、おかげ様で新聞広告があるわけで。祥伝社の様々な新刊、好評既刊が紹介されるのだが、写真入りで紹介されるのは、私くらいのものだ。なぜなら、私は可愛らしいからだ。「言論界の星野源」とも言えるほどのルックスである。明日の広告でバカ売れすることは間違いない。そう信じている。

しかし、これまた在庫切れ問題で振り回されるのか。やれやれだ。

Amazonは便利さを追求してきた。その結果、例の配達問題も起こったわけだけど。不自然、不条理な在庫切れ問題を何とかして欲しい。



というわけで、最新作、よろしくね。お願い、読んで。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年4月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。