通常業務で発明、革命を

常見 陽平

ビジュアル系のボーカルだった頃の、黒歴史的な写真が出てきた。今より痩せている。お耽美な雰囲気でありつつ、デス声という。この春、シンガーソングライターとしての活動を開始したのだが、怒りと愛が根底にあるという点は変わらないものの、今の方が優しい言葉を紡ぐことが出来ているように思う。あの頃は、ナイフのように尖っていて。でも、会社員であるという矛盾といつも闘っていた。もっとも、この制約の中で何かやるというのは仕事のというか、生きていく上での醍醐味だと思う。


先日、開催された石川明さん、柳瀬博一さんとの社内起業、社内自由人、副業をテーマにしたイベントは白熱し。

その中でも、個人的に共感したのは、柳瀬博一さんの「通常業務の範囲で発明、革命を」という言葉である。大きな枠組みで新規事業を考えるのもいいけれど、だんだん実験するのも大変なような、こけられないプロジェクトになっていく。プロ野球選手でも3割打者がスゴイくらいだ。もともと新規事業の打率は低いはずなのに、失敗できなくなると、逆に何もできなくなる。

それよりも、普段から自分がやらざるを得ない、しかも儲けを生み出している通常業務の中で何かやった方が早いな、と。そして、目の前の仕事というか、お客さんというか、市場は極めて具体的な課題を抱えている。そうであるがゆえにイメージをしやすい。

柳瀬さんは目の前の仕事と、それに対して社内外を上手く巻き込むことによって新しい仕事を生み出してきた。彼の話はいちいち地に足がついていて、説得力があって、しかも夢を感じるものだった。

というわけで、目の前のことで、発明、革命を起こした方が早いという話。

今日も頑張りますかね。


最新作、よろしくね。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年4月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。